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【高校受験】必勝合格!小論文の書き方・例文・模範解答

この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

高校受験を勝ち抜く為には、勉強以外のことも重要…と分かっていても、つい準備がおろそかになってしまいがちな小論文。

公立高校受験の推薦や、私立高校の選抜で課されるので、周りの子すべてが小論文に慌てる訳ではなく、ギリギリまで「何も準備してない」子も多数…。

ですが!!

小論文の結果は得点化され、重要な選抜材料になるんです!
(高校によっては面接より配点が高い学校もあります)。

…とはいえ、中学生にとって小論文はあまり馴染みのないもの。

「高校受験の小論文ってどう書けばいいの?」
「作文と何が違うの?」
「書き方のルールが知りたい」

と悩んでいる受験生、保護者の方も多いはず。

そこで今日は、小論文の書き方の鉄則を解説します。これを読むと、例文や模範解答も分かるので、ぜひ最後までお読みください。



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高校受験の小論文とは?

一口に小論文と言っても、形式はさまざま。

「AIやロボットの躍進について600字で意見を述べなさい」といった、1つのテーマに対して書く小論文もあれば、提示された図表やデータをもとに自分の考えをまとめる小論文などもあります。

どんな形式でも共通していることは、

出されたテーマに対して自分の意見を述べ、その根拠(理由)を明確に書くこと!

それが高校受験の小論文の書き方です。



小論文とは?①:作文と小論文の違い

よく質問を受けるのですが、高校受験の作文と小論文は少し違います。

作文は、自分の考えや気持ちを書く文章のこと。

実際に出題された【作文のテーマ】を例に挙げると・・・

・私の将来の夢
・高校生活で達成したいこと
・私が日々心がけていること
・心に残っているエピソード

このように作文は、受験生本人の『体験』や『気持ち』に焦点が当たっている出題が多いです。文章の構成も特に決まりはなく、自由度が高いのが作文と言えます。

それに対して、

与えられたテーマについて→自分の意見+その根拠をわかりやすく説明する

…のが小論文です。

たとえば・・・

「キャッシュレス決済のメリットとデメリットを挙げた上で、キャッシュレス決済の広まりについて、あなたの考えを 150 字以上 250 字以内で述べなさい(都立豊島高等学校/推薦選抜の一部)」

こんな出題に対して

「僕はふだん交通系ICカードで支払いをしていますが、とても便利だと思います」

と書いただけではもちろんバツだって分かりますよね。

●キャッシュレス決済のメリットとデメリット、そう考える根拠。

●キャッシュレス決済の広まりについて、問題提起や考えを述べる。

これらがきちんと書けていなければ減点対象です。

さらに小論文は構成にも基本ルールがあります。

文字数や設問の仕方にもよりますが、

① 序論(自分の意見)→②根拠(なぜそう考えたか?)→③結論(まとめ)

この順番で書くのがセオリーです。



高校受験で必勝合格できる!小論文の書き方の鉄則

小論文の書き方の鉄則①:まずは書く材料をまとめる

設問を読んだら、まずは小論文で主張する自分の考え=書く材料をまとめます。

ここで肝心なのは、主張を1つに絞ること!

限られた文字数のなかで、意見が複数あると主張の軸がブレてしまい、何を言いたいのか読み手は分からなくなります。

さらにその主張を裏づける明確な根拠も挙げましょう。

具体的なエピソードがあるとグッと説得力が増すので、実際に見聞きした経験、周りの友達や家族との関係性のなかで印象深いことを思い出してください。

制限時間が迫ってくると見切り発車で書き出してしまう受験生がいますが、これはなるべく避けましょう。

主張があやふやなままでは内容のつじつまが合わなくなったり、あとで修正するのも困難になったりします。

必ず自分の考え=書く材料をまとめる

この準備が出来てから、書き始めてください。

また「AとB、あなたはどちらだと思いますか?」と選択を問われたときも、「AとB両方」「AでもBでもない」という“どっちつかず”の書き方も、高校受験の小論文では好まれません。

こういった設問では、自分の立場をはっきり示すことが大切です。

そもそも、こうした選択式の問題では、どちらが正解という答えがない場合がほとんど。

どちらを選ぶにしても、「主張に一貫性があるか」「読み手が納得できる根拠が書けているか」といったことが評価のポイントとなることを忘れないでください。



小論文の書き方の鉄則②:3部構成

上記のように書く材料が決まったら、大まかな組み立てを考えていきます。

小論文の基本の書き方は、

① 序論(自分の意見)→②根拠(なぜそう考えたか?)→③結論(まとめ)

以上の3部構成です。

はじめに決めた材料をもとに、どのパートで何を伝えるか当てはめていきましょう。

ただし、「次の文章を読んで、筆者の考えを200字以内でまとめなさい」といった“読解”の問題では3部構成にこだわらなくてOK。

自分の考えを求められた場合のみ、3部構成を意識してください。



① 序論(自分の意見)「私は○○○だと考える」
主張を明確に、短い言葉でまとめる。※ダラダラと書かないこと

② 根拠(なぜそう考えたか?) 「なぜなら~だからだ」
1で書いたことの理由となる具体的な事例や、自分の経験を書く。

③ 結論(まとめ)「よって私は○○○だと考える」
1で書いたことを強調する。※ここで1に書いた内容と食い違いがあると減点対象

この構成は、高校受験の小論文の書き方においてもっとも基本の型です!

何度も練習して感覚をつかみ、先生に添削してもらいましょう。



小論文の書き方の鉄則③:指定の文字数を守る

高校受験の小論文で気をつけたいのが、文字数の極端な不足&文字数オーバーです。

「時間内に形式を守って書くことができるか」という点も高校受験では評価されるので、文字数の目安は必ず知っておきましょう。



【文字数の極端な不足】

文字数は、指定の9割以上を埋めるようにしてください。
文字数があまりに少ないと「意欲」や「思考力」といった観点で印象が下がる可能性があります。
最低でも8割以上、なるべく9割以上は埋めるようにしてください。



【文字数オーバーについて】

たとえば「200字以内でまとめなさい」と指定のある場合、201文字でも減点になる可能性があります。
“以内で”の場合は、その文字数を超えないようにしてください。

また「200字程度で述べなさい」というパターンもあります。

“程度で”と決まりがある場合は、200字なら180~220字におさめるのが書き方の目安です。400字なら360~440字といった具合に、指定文字数のプラスマイナス1割の範囲におさめるのが良いでしょう。



小論文の書き方の鉄則④:文末をそろえる

高校受験の小論文では、文末を「だ・である」に統一する書き方が一般的です。

・通訳として働くことが私の夢です→通訳として働くことが私の夢である

・私は○○○だと考えます→私は○○○だと考える

普段は「です・ます」調の書き方のほうがなじみ深いですが、上記のように「です・ます(敬体)」を「だ・である(常体)」に言い換える練習をしておくと良いと思います。

また「です・ます」と「だ・である」が文中に混在した書き方は、読み手にとってとても読みにくいものです。これも高校受験本番前から意識していないと、ケアレスミスしがちなので気をつけてください。



小論文の書き方の鉄則⑤:話し言葉を使わない

話し言葉ではなく、書き言葉(口語体)を使うのが小論文の書き方の基本ルール。

ほんの一部ですが、よくある間違いパターンを以下にまとめたので参考にしてください。

【話し言葉】

・✕「~だなぁと思います」→○「~と考える」
・✕「あと」→○「また」「さらに」
・✕「~みたいに」→○「~のように」
・✕「全然」→○「全く」
・✕「やっぱり」→○「やはり」



【ら抜き言葉】

・✕「見れる」→○「見られる」
・✕「決めれる」→○「決められる」



小論文の書き方の鉄則⑥:原稿用紙の書き方

原稿用紙の基本的な書き方ができていないと、高校受験の小論文では減点対象になることもあります。

次のポイントを頭に入れておいてください。



【原稿用紙の書き方の基本】

・段落の書き出しは1マス空ける。
・「、」「。」(句読点)や、「」(かっこ)、「」(かぎかっこ)も1マス使う。
・「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」も同様に1マス使う。
・行の頭に句読点やかっこをつけない。ひとつ前の行の最後のマスに、文字と一緒に入れる。
・記号は基本的に使わない。「!」「?」「~」など。
・横書きの場合は算用数字(1・2・3)、縦書きなら漢数字を使う(一、二、三)。



小論文の書き方の鉄則⑦:見直しをする

高校受験の小論文の試験時間は、だいだい50分前後。

制限時間のなかで、最後の5~10分は見直しする時間に充てましょう。

上記のような細かい原稿用紙の書き方でミスをしていないか、誤字脱字はないかをチェックしてください。ケアレスミスによる減点があったらもったいないです。

またあらかじめ時間配分を決めておくと良いでしょう。

たとえば、

最初の20分で材料と構成を決める→そのあとの20分で清書→見直し10分

といった具合です。

600字くらいの小論文だと清書に20分もかからないとは思いますが、少し余裕を持った配分を考えておくと良いでしょう。

ふだんノートに書くような字とは違い、原稿用紙に文字を大きく丁寧に書くのは意外と時間がかかります。



高校受験必勝合格!小論文の対策方法

小論文の対策方法①:志望校の過去問を数年分チェック

志望校の受験で過去に小論文が課されていた場合、公式ホームページなどで過去問を公開している高校が多いです。

過去3年分は過去問をチェックし、実際に書いてみましょう。

出題パターンが決まっている高校も多いので、傾向をつかんでおくことが大切です。

また練習段階から文字数や時間制限を意識しながら取り組むことで、本番慣れすることができます。



小論文の対策方法②:何度も書いて添削してもらう

内容の組み立てや3部構成の書き方などは、1~2回練習しただけでは感覚はつかめないと思ってください。

何度も繰り返し書いて練習することで、自然と小論文の書き方が身についていきます。

少なくとも3回以上は書く練習をし、先生に添削してもらいましょう。

文章の印象や読みやすさ、主張の伝わり方は、書いた本人では分からないことも多いです。客観的な意見や改善点を知ることで、高校受験合格に一歩近づくことができるはずです。

また1つのテーマだけでなく、複数のテーマについて小論文を書けるようになると、自分の自信になります。

たとえば、

・環境問題
・AIの発展
・SNSとの付き合い方

…等の、高校受験で頻出のテーマは書いた経験があると少し安心です。



小論文の対策方法③:小論文のパターンを知っておく

高校受験の小論文では、次の3つのパターンから出題されることがほとんどです。

① 1つのテーマに対して意見を書く
② 与えられた文章に対して意見を書く
③ 図表やデータを読み取って意見を書く

高校ごとに毎年傾向があるとは言え、どんな課題が出るかは高校受験当日まで分かりません。

本番でなにが出題されても困らないよう、小論文のパターンをつかんでおくことをおすすめします。

次からは、実際にどんな問題が出題されたのか、パターン別に事例をご紹介していきます。



高校受験必勝合格~2021年度高校入試 小論文のテーマ例文~

小論文のテーマ例文 パターン①:1つのテーマに対して意見を書く

◆あなたは「協調性」と「社交性」のどちらが重要だと考えるか。いずれか一方を選び、これまでの経験や、高校生活のイメージ等、具体例を示しながら600字以内で述べなさい。

(紅葉川高等学校/平成31年度推薦 小論文【問2】)

◆若者の投票率を上げるための方策を示す。※320~400字程度

(東京都立井草高等学校/平成31年度推薦 小論文【小問2】)

小論文のテーマ例文 パターン②:与えられた文章に対して意見を書く

◆問題文中の文について、筆者の考えを踏まえ、あなたの学問に対する考えを、具体例を挙げて述べなさい。※600字

(東京都立文京高等学校/令和3年度 一般推薦 小論文【小問1】)

◆筆者は本文中で「協調性」と「社交性」について、それぞれどのようなものだと述べているか。200字以内で説明せよ。
(紅葉川高等学校/平成31年度推薦 小論文【問1】)



小論文のテーマ例文 パターン③:図表やデータを読み取って意見を書く

◆Aの新聞記事とBのグラフ(資料1、2、3)から、現在、問題とされていることは何か読み取りなさ
い。また、今後どうしていったらよいかを具体例を挙げて500字以上600字以内で書きなさい。

(東京都立桜町高等学校/令和2年度推薦 小論文)



◆近年、地震や風水害等による大規模な自然災害が社会問題となっている。千葉市でも、令和元年9月の台風15号の影響により、建物被害や倒木等が多数発生し、市民生活や産業活動の多方面に大きな被害が生じた。また、これらの自然災害により、停電の長期化や断水・通信障害など、ライフラインが寸断され、避難生活を強いられることが増えている。こうした災害時における情報収集のあり方について、以下の資料1~3をもとにあなたの考えを述べなさい。

(千葉市立千葉高等学校/令和3年度 一般入学者選抜 小論文)



◆2016年7月の参議院選挙と、2017年10月の衆議院選挙における投票率に関するデータを読み取り、文章にまとめる。※160~200字程度

(東京都立井草高等学校/平成31年度推薦 小論文【小問1】)



高校受験必勝合格~小論文の模範解答~

最後に、高校受験における小論文の問題例と模範解答(解答例)をご紹介します。
※あくまでも一例です。



【問題例文】
あなたは「個性」と「協調性」どちらが大切だと考えるか。自分の経験や具体例を挙げながら600字以内で書きなさい。

【解答例】

私は個性と協調性なら、協調性のほうが大切だと考える。なぜなら人は一人では生きていけないし、集団で目標を達成するためには協調性が欠かせないと実感しているからだ。
私には同じソフトボール部に所属していた友人がいるのだが、練習試合で負けることが続いた時期に口論になった。「朝練の時間を増やしたい」と言う友人と、「時間を増やすより練習メニューを変えたい」と考える私でぶつかったのだ。主張は異なっていたが、話し合いの末に「チームを強くしたい、勝ちたい」という気持ちは互いに同じだと気づき和解できた。その後はチームメイト全員で相談して、チームの弱点の強化する方法を決めていった。例えば守備力アップが必要なメンバー、体力アップが必要なメンバーなどとグループ分けをし、個別の練習メニューを新たに設けた。また試合前などチームの気持ちを1つにしたいときには朝練も行った。その結果、全国大会出場こそ叶わなかったものの、過去最高の結果を残すことができた。これは私にとって忘れられない経験である。
集団のなかで、考え方や主張が違う人がいるのは当然だ。どんなに強烈な個性を持っていても一人ぼっちでは生きていけないのだから、自分と違う意見を受け入れ、ときには譲り合う協調性は欠かせない。協調性があるからこそ、人は同じ方向を向いて目標を達成できると私は考える。


高校受験必勝合格!練習を積み重ね自信をつけておこう!

「小論文はなにを書いていいか分からない」と悩む受験生は多いです。

でも高校受験の小論文は書き方の型やパターンがあるので、考え方によっては筆記テストや面接よりも対策しやすいとも言えます。

志望校の過去問をチェックして傾向を押さえたら、あとは練習あるのみ!

このページで紹介した小論文の書き方の鉄則をヒントに、複数のテーマについて書く練習をしてみてください。

学校や塾・家庭教師の先生に書き方のアドバイスをもらうと、さらにブラッシュアップできて、自分の成長も実感できます。たくさん練習して、受験までに自信をつけてくださいね。

自信を持つことは、小論文を書く上でとても重要な要素になります。

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この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

メッセージ:
不良でビリから2番目、偏差値30台。そこから独自で確立した勉強法で早稲田大学に合格。この経験を活かし、家庭教師として53人の生徒を第一志望校に合格に導き、在学中に「家庭教師のゴーイング」を設立。勉強が苦手な子専門として実績29年。今でも現場の中心に立ち17,000人以上の相談を解決。心理カウンセラーの資格を取得し、不登校・発達障害の生徒さんへのサポートにも力を入れています。

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