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DMN(デフォルトモードネットワーク)のオンオフを切り替える方法

この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

「DMNって何?」
「どんな役割があるの?」
「DMNをコントロールする事ってできるの?」

こんなことでお悩みではありませんか?

DMNは脳機能の一部で、オンオフによって発揮できる役割が異なります。

一口に脳の機能と言っても、DMNオンの状態のままがいいのか、オフのほうがいいのか気になるところではないでしょうか?

そこで今日は、DMNの概要をお伝えしていきます。
これを読むと、DMNの活性化と不活性化をコントロールする方法もわかるので、ぜひ最後までお読みください。



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DMN(デフォルトモードネットワーク)の意味

DMN(デフォルトモードネットワーク)とは、何も考えていない状況で、ぼんやりと安静状態にある脳の神経活動を指しています。

よくあるたとえで言うと、車のアイドリング状態と同じようなものです。

でもよく間違って解釈している人が多いのですが「車のアイドリング状態と同じであれば、あまりエネルギーを消費しないのでは?」と思われがちです。

実は、このDMNのエネルギー消費量はなんと、脳全体の60%〜80%も占めているのです。

ですから、もしあなたのお子さんがぼーっとしがちなのに、すぐ疲れて寝てしまうといった状況があるならDMNの動きを抑える必要があります。

DMNは全面的に悪い脳の機能であるといった意味ではないので、その点は注意してください。



DMN(デフォルトモードネットワーク)の役割

それではさっそく、DMNの役割を確認していきましょう。
具体的な役割は以下のとおりです。

1. 危機管理
2. 集中力の維持向上
3. 情報の整理
4. 頭を柔らかくする
5. 創造性を発揮する
6. 記憶を呼び覚ます

これらの役割を見てみると、先ほどお伝えしたように悪い機能ではないことがわかりますよね。
まずは、きちんとDMNの役割を覚えておくことが重要です。



DMNの役割①:危機管理

DMNの役割1つ目は危機管理です。

冒頭部分でもお伝えしましたが、DMNは車のアイドリング状態にたとえられます。

アイドリング状態は、「いつでも発進できるが、今は止まっている状態」を指していますよね。

ですから、DMNは突発的危機に対して常に備えている状態でもあるんです。

一方、これが睡眠状態に入っていたらどうでしょう?

DMNのようにアイドリング状態でなく、完全にエンジンが止まっている(生命活動は行っていますが)状態になっていますよね。

となると、脳が常に動いている状態がDMNであり、エネルギーをたくさん食べてしまう大食漢であるのもうなづける話です。



DMNの役割②:集中力の維持向上

DMNは静かにしている時に動きはじめ、考え事や脳を使う仕事をしている時に動きが止まります。

そのため、集中力を使うべきタイミングと、使わなくてもいいタイミングの『オンとオフを適切に切り替える役目』もあるといえます。

仮にこの機能が脳に備わっていないと、常に集中しているか、集中していないかの2択になってしまいます。

ですから、脳の機能には元々集中力を維持するための機能で、DMNが備わっていると考えられます。



DMNの役割③:情報の整理

DMNの役割3つ目は、情報の整理があります。

記憶のメカニズムを分解すると以下の3つに分かれます。

1. 5感から情報を収集して感覚記憶から短期記憶に変わる
2. 重要な記憶を取捨選択して長期記憶に移行する
3. アウトプットする訓練を通して言葉や行動に出力できる

この中でDMNが深く関連しているのは、2番の重要な記憶を取捨選択して、長期記憶に移行するところです。

仮に、感覚記憶から短期記憶に移行した記憶を取捨選択する際、情報が整理されていなければ、「長期記憶に何を移行すればいいのか?」が、分かりにくくなってしまいます。

ですが、DMNが正常に働いていれば、脳のアイドリング状態の間に記憶の取捨選択を行ってくれます。

ちなみに、睡眠中に記憶の整理をして、脳に記憶を定着させるのもDMNが活性化しているおかげです。



DMNの役割④頭を柔らかくする

続いての役割は、頭を柔らかくすることです。

DMNは集中力のオンオフの切り替えをする役割があり、次の課題へ取り組む時、あなたの脳内と前の課題を一旦切り離します。

すると、前の課題に囚われることなく、今目の前にある課題に全力で集中できるようになります。

この時、もし、前の課題と次の課題に関連性があれば、DMN中に記憶の紐づけが起こり、より効率的に次の課題を終わらせられる可能性が高まります。

この点は、次の項目でより詳しく解説していきます。



DMNの役割⑤創造性を発揮する

DMNの役割5つ目は、創造性を発揮して、新たな発想や独創性を発揮するのに役立つことです。

先ほどの項目で、DMN中に記憶の紐づけが起こり、課題達成の効率があがる点をお伝えしました。

しかし、DMN中の記憶整理は、これだけではありません。

DMNは前と後といったような短期的な記憶だけでなく、今まで記憶してきた幅広い記憶も結びつけます。

例えば、フェルマーの最終定理という数学の超難問を解いたアンドリューワイルズは、日課の散歩中に解放の糸口を掴んだと言っています。

しかも、その他の歴史的人物も、お風呂に入っている時や、ワイルズと同様、散歩している時などのふとした瞬間に、思いがけないことがひらめいたと言っています。

よく知られているニュートンもそのうちの1人ですし、ミュージシャンなども「このメロディは外出中にふと降りてきた」なんて言いますよね。

このように、DMNには創造性を発揮する力があることが、歴史からもわかっています。



DMNの役割⑥記憶を呼び覚ます

DMN最後の役割は、記憶を呼び覚ますことです。

創造性を発揮する役割でもお伝えしましたが、DMN中はあらゆる記憶を脳内で紐づけしています。

ですから、いつの間にかピアノを弾けているお子さんは、ご家庭の誰かがピアノを弾いている姿を見て、楽譜の記憶を結びつけ、自然と弾けるようになったのかもしれません。

これは、あくまでたとえ話ですが、DMNはこうした、あまり関連性のない記憶を紐づけて行動に反映する役割もあるのです。



DMN(デフォルトモードネットワーク)の切り替えが生むメリット・デメリット

ここまでDMNの役割を解説してきましたが、次は切り替えが生むメリットとデメリットを解説します。

比較対象は、当然ですがDMNがオンの状態にある時とオフの状態にある時です。
それでは、見ていきましょう。



DMNがオン状態

DMNがオンの状態だと、非集中回路も同時にオンになっており、集中力があまりありません。

しかし、その分メリットもたくさんあるので、確認しておきましょう。



メリット

DMNがオン状態のメリットは、以下のとおりです。

● 創造性が発揮できて、アイデアが生まれやすい
● 静的な状態でDMNが作動するので、リラックスできている
● 脳内の情報が整理され、副次効果が生まれやすい

役割の中でも多くの方がメリットと感じやすい点をまとめると、上記の通りで、役割でお伝えした内容が、そのままメリットとなります。

基本的にDMNが作動している場合には体がリラックスしており、記憶の統合や創造性が発揮されやすいといえるでしょう。



デメリット

それでは逆にデメリットには何があるのでしょう?
まとめてみると以下のとおりです。

● 集中力が切れているため注意力にかける
● 脳がエネルギーを大量に消費するので疲れやすい
● 上手く切り替えができないとずっとぼーっとしてしまう

DMNは脳がフル回転して、記憶の整理を行っていると考えると、これらのデメリットも理解しやすいと思います。

特にぼーっとしているにもかかわらず、「どうしてうちの子は疲れやすいの?」というお子さんへの答えもここにあります。

ですから、もしご家庭で上記のようなDMNのデメリットが顕著に出ているお子さんがいれば、後ほど詳しく解説するDMNを不活性化する方法を確認してくださいね。



DMNがオフ状態

DMNがオンの状態は、非集中回路がオフの状態であり、物事に集中できている状態です。

ですが、逆にDMNのメリットが全て消えている状態でもあるので、デメリットにはその効果が顕著に現れています。

それでは確認していきましょう。



メリット

DMNがオフになっている時のメリットは以下のとおりです。

● 非集中回路がオフになっているから集中力が高まる
● 記憶の整理が行われていないからエネルギー消費が抑えられる
● 脳に疲れが蓄積しづらい

DMNがオフの状態だと、頭の中の非集中回路がオフになっているので、集中力が高まります。

また、記憶の整理に対して大量のエネルギーを使わなくても済むため、集中している時のほうが疲れずに済みます。

とは言え、集中状態が続いていれば、いくらエネルギーの消費が抑えられても、疲労は蓄積するので無理はしないでください。



デメリット

DMNがオフ状態のデメリットは以下のとおりです。

● 集中して物事に取り組んでいるため、思考が硬直化する
● 脳内の情報を整理する時間が取れず、記憶力に問題が起きてしまう

DMNがオフの状態では、集中して物事に取り組んでいるため、他のことを考える余裕がなくなります。

そのため、思考の硬直化が起こり、記憶力に問題が生じてしまう場合も多いです。

ですから、DMNが常にONであればいい、OFFであればいいという2者択一ではなく、バランスを取ることを意識してください。



DMN(デフォルトモードネットワーク)を活性化しすぎると、うつ病になるって本当?

DMNが活性化しすぎると、うつ病になる恐れがあることをご存知ですか?

これは、DMNがオン状態の時に過去のネガティブな記憶を呼び起こし、何度も反復しすぎて、脳が常に疲労している状態を作り出していることが、うつになってしまうメカニズムといわれています。

ただしこれは、あくまで広く議論されている推論です。うつ病の直接的な原因は未だにわかっていません。

うつ病になった人がDMNに作用する治療を行ったところ、倦怠感が解消したデータもあるので、DMNのオンオフがうつ病に作用している可能性もあるのかもしない、程度の話です。



DMN(デフォルトモードネットワーク)でひらめきが生まれるって本当?

さて、DMNがオン状態の時にひらめきが生まれることは本当なのでしょうか?

ひらめきの辞書的な意味は、直感的な鋭さを意味しています。

すると、『ひらめきを辞書的な意味でDMNと関連付けるのは難しい』というのが結論です。

なぜなら、DMNで扱われる創造性は、今まで記憶してきたものを紐付けて生まれているものだからです。

ただ、ひらめきを直感ではなく、『優れた考えが瞬間的に思い浮かぶこととアイデア方面での意味づけ』にするなら、DMNとの関連は大いにあります。

まとめると以下の通りです。

● ひらめき=直感→DMNとは関係ない
● ひらめき=優れた考えが思い浮かぶこと→DMNと関係がある

ひらめきと1つの言葉をとっても、文脈が異なればDMNとは関係がなくなってしまうので、注意してください。



DMN(デフォルトモードネットワーク)を活性化させる方法

それでは実際にDMNを活性化する方法を確認していきましょう。
具体的な方法は全部で7つあります。



観察瞑想

DMNを活性化するための方法として、観察瞑想があります。

これは脳のアイドリング中に思い浮かんでくる雑念や感情を、ありのままに受け入れるところから始まります。

このように雑念や感情に集中する方法を、観察瞑想といいます。

観察瞑想に入るためには、雑念や感情ではなく自分や外の状態のある1点に目を向ける集中瞑想から行います。

観察瞑想の具体的なステップは以下のとおりです。

1. 自分の呼吸からはじめ、あらゆる事象の1点に集中する
2. ある1点に意識を向けられたら、次はそれに対する自分の思考にフォーカスする
3. 「今、何を考えているのか?」や、今の感情を観察する

まずは、ある1点のものに意識を向けて、それに関する雑念に意識を移すのが観察瞑想のやり方です。

こうすることで、脳内で何を考えているかを明確に感じられるようになって、DMNがONの状態になります。



PCD(楽しい空想)

瞑想は少し難易度が高く、一定の訓練が必要ですが、PCDであれば比較的簡単に誰でもできます。

PCDのやり方はとても簡単で、美味しいものを食べている状態を思い描いたり、どこかに遊びにいっている様子を思い描いたりなどの空想をすればいいだけです。

その際に注意するのが、おもしろさではなく、楽しさや心地いい感情を優先することです。

心をワクワクさせるよりも、落ち着かせる空想をすればDMNはリラックス状態でONになるので活性化します。



絵画で遊ぶ

またDMNを活性化する方法には、絵画で遊ぶことも含まれます。

こちらは空想と同様の方法ですが、空想よりは絵画が目の前にあるので、よりイメージがわくはずです。

たとえば、ゴッホのひまわりの絵を見ながら、頭の中でそのひまわりの匂いを嗅いでみた…ということです。

これは、お子さんの情操教育と合わせて行うと効果的です。



計画を立てる

次に空想といっても、現実世界のリアリティを持った計画を立てるのも試してみてください。

空想のポイントはワクワクではなく、心が穏やかになることなので、テーマパークや施設に行く計画はあまり適していません。

どちらかというと、海や山に行く計画のほうが合っていると思います。

その計画を通して、移動している時の空想や、着いた場所で過ごしている時の空想を、お子さんと一緒にしてみてください。



デジタルデトックス

デジタルデトックスもDMNを活性化する方法です。

この理由は、スマホに集中する状態を解除し、リラックス状態を意図的に作り出せるからです。

とくにスマホを暗いところで見ていると、強いブルーライトやその他の色によって体が緊張状態になってしまいます。

ですから、デジタルデトックスして、強制的にスマホやその他の電子機器に触れないようにすれば自然とリラックスができ、DMNのスイッチがONになります。

現代人はみんなやった方が良さそうですよね。



単純な作業・運動

DMNを活性化する方法の4つ目は、単純な作業や運動です。

この理由は、頭を使わずに手や体だけを利用していると、非集中状態でも行動でき、ぼんやりと考え事ができるからです。

たとえば、皿洗いや掃除、靴磨きなどが当てはまります。

お子さんが、宿題で漢字の書き取りをしている時、ぼんやりしている事ってあると思います。

これは単純な手首の運動になっているので、単調な作業によってDMNがオンになっているからです。



睡眠

冒頭でもお伝えしましたが、睡眠による記憶の定着は、睡眠時にDMNが活性化しているため起こります。

そのため、DMNを活性化させるなら、睡眠も1つの手段です。

完全に寝てしまうとDMNのオンとオフを切り替える訓練にならないので、15分間から30分程度、昼寝するようにしてください。

そうするとDMNが活性化し、記憶の取捨選択や定着を行ってくれます。
すると、その後の行動が効率的になるはずです。



DMN(デフォルトモードネットワーク)を不活性化させる方法

最後の項目では、DMNを不活性化させる方法を解説していきます。
具体的には次の3つが不活性化させる方法です

● 集中瞑想
● アンガーコントロール
● 頭を使う趣味に没頭する

それでは、さっそく確認してみましょう。



集中瞑想

DMNの活性化では観察瞑想を行いますが、不活性化では集中瞑想を行います。

集中瞑想は、雑念や感情を完全に切り捨て、あなたの周りのある1点に絞って意識を向けていきます。

たとえば、呼吸していることだけに集中するのが一般的なやり方です。

ここで、そのある1点に対する雑念や感情にフォーカスすると、観察瞑想になってしまうので注意してください。

このように集中瞑想を行えば、ある1点の状態のみを観察することになるので、集中力が持続しDMNが不活性化します。



アンガーコントロール

続いてアンガーコントロールも、DMNの不活性化に役立ちます。

なぜなら、怒りは感情であり、その怒りの感情はDMNを活性化させるので、コントロールしてあるがままを受け入れれば、自分の思考から離れられるからです。

アンガーコントロールの第1歩は、自分が怒っているという状態を客観的に見られるかどうかです。

やり方としては、まず、数回できるだけ深く深呼吸し、深呼吸していることだけに集中するようにします。

すると多少、落ちついてくるので、怒っている自分を冷静に眺めることができるようになります。

そして、怒りの感情がでてくる原因も観察することで、さらに冷静さを取り戻し、物事に集中できるようになります。

すると、感情に支配されないため、DMNが不活性化するというわけです。



頭を使う趣味に没頭する

ここまで、ご家庭で実践するには少し難しい瞑想方法を解説しましたが、最後はとても簡単です。

DMNの不活性化には集中がとても重要なので、頭を使う趣味に没頭すればよいのです。

たとえば、将棋や囲碁といったボードゲームであれば、集中力が持続します。

瞑想やアンガーコントロールよりも、ずっと簡単に試せる方法なので、ぜひ参考にしてください。



DMN(デフォルトモードネットワーク)を不活化させると、勉強に役立つ!

DMMは脳機能の一部であり、オンオフのバランスがとても大事です。

オンの場合は、創造性が発揮でき、記憶の定着に役立ちますが、エネルギー消費が激しいです。

一方、オフでは創造性がなくなり、エネルギーの消費も抑えられます。

どちらか一方が重要ではなく、この切り替えをバランスよくできるかが重要なので、勘違いがないようにしてくださいね。

その他にも私たちのサイトでは、学習に役立つ情報をたくさん紹介しているので、興味のある方はぜひ、他の記事も読んでみてください。

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この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

メッセージ:
不良でビリから2番目、偏差値30台。そこから独自で確立した勉強法で早稲田大学に合格。この経験を活かし、家庭教師として53人の生徒を第一志望校に合格に導き、在学中に「家庭教師のゴーイング」を設立。勉強が苦手な子専門として実績29年。今でも現場の中心に立ち17,000人以上の相談を解決。心理カウンセラーの資格を取得し、不登校・発達障害の生徒さんへのサポートにも力を入れています。

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