集団行動が苦手な子どもの特徴と対処法/発達障害じゃないのになぜ?

「うちの子は集団行動が苦手で…」
「どうして友達とうまく関われないのかな?」
「特に発達障害ってわけじゃないんだけど」
こんなことでお悩みではありませんか?
学校や幼稚園・保育園では、集団生活になるので、当たり前のように「みんなと同じように動くこと」が求められますが、ついていけない子どもだっているのが当然です。
なのに、みんなと同じようにやれないと、「問題行動」と見られ、「発達障害なのでは?」とレッテルを張られそうになります。
集団行動が苦手なことは、決して異常なことではないのですが、お子さんがまだ小さかったりすると親御さんは見ていて心配になってしまいますよね。
そこでこの記事では、集団行動が苦手な子どもの特徴と親御さんができるサポート法をわかりやすく解説していきます。
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集団行動が苦手な子どもは意外と多い
まず初めに、親御さんが安心してお子さんのサポートをできるよう、集団行動が苦手な子についての知識をざっと紹介していきます。親御さんに知識がないとお子さんに「どうしてできないの?」などと叱咤してしまう場合もあるので、頭の中に入れておいてください。
発達障害でなくても苦手な子がいるのは当たり前のこと
「集団が苦手」と聞くと、大人はまず「発達障害なのでは?」と考えてしまう場合が多いです。ですが実際には、発達障害と診断がつかない子どもでも、集団の中での行動に苦手さを感じる子は少なくありません。
大人だってマイペースで周りに合わせるのが苦手、大勢がいると緊張してしまう等、誰にでも覚えがあることではないでしょうか?
発達の「凸凹(でこぼこ)」がある、ないに関わらず、集団で動くことが苦手で、「できればやりたくない」と思う子もいますし、「どうしたらいいかわからない」と感じる子もいます。
例えば、入園・入学したばかりの子どもは、そもそも集団行動に慣れていないので、戸惑って当然ですよね。
このように、集団行動が苦手なことは、発達障害でなくとも、当たり前のことなのだと言えます。
無理に合わせようとすると逆効果
とは言え、保育園も学校も集団行動を基本としていますから、先生から「〇〇ちゃんは集団行動が苦手みたいです」と言われたら、ドキッとしてしまいますよね。
そして「みんなより遅れちゃったらどうしよう」と動揺して、「なんでできないの?」「みんなと同じにした方がいいのよ」と怒ってしまう場合もあると思います。
ですが、これは絶対にやめてください。そんなことを言われてしまうと、子どもはますます萎縮し、自信を失い、なにもできなくなってしまいます。
さらに、子どもは、何がいけないのか理由がわからないのに叱られてしまうと、「自分は何をやってもダメなんだ」と思い込んでしまいます。
ですから、親御さんは決して集団行動できないことを責めないであげてください。
集団行動が苦手な子の特徴
ちょっと周りから浮きやすい子どもには、特徴があります。これを知っておくと、「あ、これはうちの子に当てはまるから、集団行動できないかもな…」と見当をつけることができるようになりますから、知識として頭に入れておいてください。
マイペースで自分のリズムがある
自分のペースで動きたいと感じている子どもは、あたりまえですが、周りに合わせるのが苦手です。自分が興味のあることや納得したことを優先して行動するので、どうしても全体の動きから外れてしまいます。
人の話を聞いていない(ように見える)
ついさっき、先生から言われたことなのに、指示通りにできない子っていますよね。これは本人が意識して「話を聞いていない」のではなく、「耳に入っても処理しきれない」ので、どう動けばいいかわからなくなってしまうことから起こります。
「話を聞かない」のではなく、「処理能力がないのだ」と理解してあげましょう。
刺激によって集中を遮断されてしまう
音や光、人の声など、まわりの刺激に敏感な子どもは、それらが気になって集中するのが難しくなります。このような特性があると、みんなと同じ行動はとれなくなってしまいます。
コミュニケーションがうまく取れない
話し方が独特だったり、相手の気持ちを想像するのが苦手だったりすると、友だちとの意思の疎通が困難になり、トラブルになりやすいです。
「悪気がないのに、誤解されやすい子」というのも、このタイプに多く、そのせいで孤独になりがちです。
音・におい・人の目などがストレス過ぎる
教室がざわざわしている、先生の話し声が大きい、においが気になる、みんなに見られている気がして恥ずかしいなど、「見えにくいストレス」を人より多く感じ取ってしまう子もいます。
このような特性があると、集団の中にいるだけでクタクタに疲れてしまいます。
どうして集団行動が苦手になってしまうの?
集団行動が苦手な子を見ていると、どうしても親御さんは「発達障害じゃないのに…」と思ってしまいがちです。
それが子どもの個性だと言ってしまえばそれまでなのですが、親御さんは理由を把握しておいてあげましょう。そうすることで、サポートの仕方も見えてくるので、慌てずにすみます。
環境に慣れていない
集団生活がはじまったばかりの子どもは、まだルールや集団の空気に慣れていません。新しい環境に適応するには、子どもによって時間がかかるのは当たり前です。
不安や緊張が強い
「失敗したらどうしよう」「また怒られるかも」と思っていると、動けなくなってしまいます。特に繊細な子は、人の目や反応を強く気にするため、集団の中で身動きが取れなくなることもあります。
コミュニケーションの経験が少ない
普段から子ども同士の関わりが少ない場合、集団でどう動いたらいいかわからないのは当然です。
少しずつ経験を積んでいくことで、苦手意識が減っていくこともあります。
相手の気持ちや自分の気持ちを感じ取れない
「自分がどうしたいか」「相手がどう感じているか」という視点を持つのが難しい子どももいます。集団で行動するには、少なくとも「自分はこうしたいけど、今はこう動いた方がいいんだな」と理解する必要があるのですが、このように、相互を理解するのが困難だと、集団でのトラブルや不適応の原因になることがあります。
集団行動が苦手な子への対処法とサポート
集団行動が苦手で困難を感じている子には、どのようなサポートをしてあげればよいのでしょうか?
一番つらいのは集団行動が苦手なお子さん自身ということを忘れずに、生活から少しでも困難を減らしてあげられるようサポートしてあげるやり方を紹介していいきます。
無理に「みんなと同じ」を求めない
みんなと同じスピードで、同じやり方で動くことが難しいのですから、それを尊重してあげましょう。
先生に相談して、少しゆるやかな対応をお願いするのも一つの方法です。
できたことを具体的にほめる
集団行動が苦手な子はどうしても自己肯定感が低くなってしまっていますから、小さな成功体験を積み重ねていき、自信をつけてあげてください。
「今日はちゃんと席に座っていられたね」「お友だちに挨拶できていたね」など、できたことを見つけて、わかりやすく伝えてあげるとよいです。
「この場面ではこうする」と事前に伝えておく
前もって「次はこうする」と知っていれば、子どもは安心して行動できるようになります。朝の会、給食、掃除など、集団で動く場面がわかっている場合は、やり方を伝えておきましょう。
1対1での関わりから、少しずつ人数を増やす
集団が苦手なのですから、初めは安心できる1対1の関係から始めて、その関係を「2人→3人→グループ」と広げていくとスムーズに大人数でも対応できるようになります。何事もスモールステップで進めていきましょう。
集団行動が苦手な子に、親として気をつけたい3つのこと
親御さんが心配のあまり、あれこれ言ってしまうことってあると思います。ヤキモキしてしまうのはわかるのですが、「これだけはやめてあげて!」という言動もあります。親御さんにして欲しくないNG行動を紹介しておきます。
①「他の子と比べすぎないで」
「みんなできてるのに、どうして…」
独り言の愚痴のように、つい言ってしまいそうになる言葉ですが、これはお子さんを深く傷つけてしまいます。
集団行動が苦手な子は、自分でも「できない自分」をよくわかっていることが多いので、そうお子さん自身が一番感じているからです。
だからこそ、他の子と比べるよりも「昨日より少しでもできたこと」を見つけてほめてあげてください。
②「怒るより、まず気持ちを聞いてあげて」
集団行動がうまくいかなかったとき、イライラして、つい怒ってしまうこともあるかもしれません。
でもそんなときこそ、「どうして嫌だったの?」「どこがつらかったのかな?」と、まずはお子さんの気持ちを聞いてあげてください。
気持ちをわかってもらえるだけで、子どもはホッとして安心感を持てるようになります。
その安心感は、「次はちょっと頑張ってみようかな」という気持ちにつながっていくので、ゆっくり見守ってあげてください。
③「その子の“得意”を見つけて伸ばしてあげて」
集団が苦手でも、絵が得意だったり、虫が好きだったり、必ずその子ならではの“いいところ”がありますよね。
そこをしっかり伸ばしてあげると、「自分にはこれがある」と自信につながって、精神的に安定できるようになります。
自信がついてくれば、集団の中でも落ち着いて過ごせるようになっていきますし、そうすれば少しずつ集団にも合わせられるようになります。
集団行動が苦手でも、お子さんらしく生きられる力を育てよう
集団行動が苦手な子どもは、決して「できない子」ではありません。
ただ、少し周りと違うペースを持っているだけですし、それが個性なのですから、どうか受け入れてあげて欲しいです。
親御さんは子どもの感じている「しんどさ」を理解し、できることを少しずつ増やしてあげてください。
大切なのは、「集団に無理に合わせさせる」ことではなく、「集団が苦手でも自分らしく過ごせる力」を育ててあげること。
親御さんの関わり方ひとつで、子どもは成長度合いは大きく変わります。
焦らず、あたたかく見守ってあげてくださいね。