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発達障害で暴力的な子どもが驚くほど変わる!「肯定術」のすすめ

発達障害の子どもは、自分の思い通りにならないことがあると、ときに暴力的に振舞ってしまう場合があります。
お子さんのそんな行動を見ると親御さんは戸惑って、心を痛め、「どうしたらいいの。。。?」と頭を抱えてしまいますよね。

ですが、それは「わざと」や「性格が悪いから」「躾がなってないから」ではありません。子どもが暴力的になってしまう背景には、本人なりの困りごとやストレス、言葉にならない本当の気持ちが隠れている場合がほとんどと言えます。

そこでこの記事では、発達障害の子が暴力を振るってしまう理由と、その対処法・改善法として『肯定術』のやり方を詳しく紹介していきます。
ぜひ、これを参考にして、お子さんを落ち着かせていくヒントやコツをつかんでいただけたらと思います。

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外ではいい子なのに・・どうして家の中では暴力的になってしまうの?

「学校ではいい子にしてるのに、家族の前だと別人みたい…」
発達障害の子どもには、こういったケースがよくあります。
なぜなのでしょうか?

発達障害の子は様々な特性を抱え、いつも多大なストレスを抱えています。日常生活の中で本人は我慢しているつもりでもなかなかうまく行かず、それが爆発してしまう瞬間があるのです。
その結果「手が出る」「物を投げる」「暴言を吐く」といった行動で表れるようになってしまいます。

外では気を張ってがんばっている分、家庭という安心できる場所ではストレスを抑えきれないでいるのです。

発達障害の子が常に抱えているストレス
• 光や音などの刺激に敏感でイライラしてしまう
• 気持ちの切り替えに時間がかかる
• 言葉で感情をうまく伝えられない
• 感情を押さえられない
(パニックになりやすい)

発達障害で暴力的な子どもが驚くほど変わる!「肯定術」のポイント

子どもが暴力的な行動を取ると、親としてはどうしても「やめなさい!」「どうしてそんなことをするの?」と強く言いたくなりますよね。
でも、実はこのように叱ってしまうと、逆に子どもはもっと感情的になり、暴力的な行動が悪化してしまう場合があります。

なぜなら、子どもは暴力で気持ちを表現しているからです。
特に発達障害の子どもは、自分の感情をうまく言葉にできず、もどかしさやフラストレーションの結果として暴力的な行動が現れることが多いのです。

そんな、発達障害で暴力的な子どもに必要なのは、子どもが感じている「気持ち」に寄り添ってあげること、その方法が「肯定術」と呼ばれる方法なのです。

肯定術とは?

肯定術とは、「子どもが“どんな気持ちで”そうしたのか」に注目し、その感情をまず受け止め、良い面や成長しようとする姿勢を見つけてあげて、認めていく関わり方です。

肯定術の基本ステップ(3ステップ)

肯定術では、まず子どもの感情を受け止めてあげることから始めます。例えば、「〇〇するのが嫌だったんだね」と気持ちを理解してあげれば、子どもは自分の感情を認めてもらえたと感じ、安心します。

そして、暴力的な行動の中にも、良い部分や、少しでも頑張ったことを見つけて認めてあげるようにします。

暴力をただ「やめなさい」と言うのではなく、その行動の背後にある気持ちに目を向け、「その気持ち、わかるよ」と寄り添ってあげるのです。

こうしたことを繰り返し経験していくと、子どもは暴力以外の方法で気持ちを表現しようと、新しい第一歩を踏み出せるようになるのです。

親御さんが実践するには、以下の3ステップを参考にやってみてください。

① 子どもの今の気持ちを言葉にしてあげる(共感)

子どもが暴れたり怒ったりしたときに、「嫌だったんだね」「くやしかったんだよね」と言葉にして返してあげましょう。

→ 例:「〇〇したかったのに、できなくて怒ったんだよね」

子どもが本当は望んでいたこと→結果としてやってしまったこと
このふたつを親御さんの口からちゃんと言ってあげると、「わかってもらえた」と感じて安心できます。

② 暴力以外の方法を提案する(選択肢を見せる)

「叩く代わりにどうする?」と、落ち着いたあとで一緒に考えます。

→ 例:「叩いたら相手は痛いでしょ?〇〇ちゃんも痛いのイヤだよね。だから、困ったときは“やめて”って言ってみようか」

なぜ暴力をふるってはだめなのか、その理由を伝え、その後に変わりの選択肢を教えてあげましょう。

「紙に書いて教えてくれる?」
「嫌なことされたら、とりあえず逃げようか?」

③ 望ましい行動をすぐに認める(肯定・強化)

小さな変化でも、「今叩かなかったね」「ちゃんと“やめて”って言えたね」と具体的に褒めます。

→ 例:「今、ちゃんと「やめて」って声で伝えられたの、すごいね!」
    「嫌だから逃げてきたんだね。ちゃんとやれたね!」

親御さんのよくある疑問

「なんでも肯定しちゃったら甘やかしていることにならないの?」
「子どもがもっと我儘になりそう・・・」

肯定術は、行動をすべて許すことではありません。感情には共感しても、「叩くことはいけない」という線はきちんと伝えます。

→ 例
「怒るのはいいけど、叩くのはダメだよ。言葉で教えてくれると助かるな」
「嫌なのはわかるよ。イヤだったよね。でもぶたれたら痛いよ。逃げたらいいんだよ。」

肯定術を実践して変わった実例

肯定術を根気強く続けていけば、どんな暴力的な子どもであっても、少しずつ変化していきます。暴力的な行動が変わっていったケースを紹介しておきます。

例①:「外ではいい子」なのに、家で暴れる小学3年生のケース

状況
家では「宿題やりたくない!」と暴れて机を蹴る。母が叱るとさらに怒って、母親ヲたたくなど暴力をふるってしまうので、親子関係が悪化していた。

実践したこと
• 「宿題イヤだよね。疲れてるんだよね」と気持ちを受け止める
• 「どうしたらやりやすくなるかな?」と一緒に方法を考える
• 少しでも机に向かったら「さっきより頑張ったね」とできたことを認める

結果
2か月ほどで暴れる回数が激減。今では「今日は疲れてるから、宿題は10分だけやる」と、自分で体力と勉強の折り合いをつけられるようになった。

例②:「言葉が出ないと手が出る」発達障害の小1男児

状況
友達と遊んでいても、思ったことをうまく言葉で伝えられず、すぐ叩いてしまう。学校からもたびたび呼び出しがあり、親もイライラが限界に。

実践したこと
• 叩いたあとでも「嫌だったんだよね、気持ちはわかるよ」と共感を先に言う
• 「困ったときは『ちょっとやめて』って言ってみよう」と伝え方の練習をした
• 叩かずに我慢できたときは「今やれたね!」{すごい!}と小さな成功を強調

結果
3か月ほどで、手が出る前に言葉を出せることが増え、先生からも「落ち着いてきた」と評価された。本人も「おこるのへったよ」と自信を持ち始め、友だちとも遊べるように。

肯定術成功のポイント

どのケースも、「肯定術」を毎日コツコツ積み重ねることで変化が現れています。劇的な変化より、「少しずつの変化」を親子で喜びながら実践していってください。

肯定術を続けるために:親御さんが疲れたときの対処法

親御さんだって人間です。ただでさえ育児で身体がクタクタなのに、その上、子どもの暴力や落ち着きのなさに向き合っていると、心が疲れてしまいますよね。。

「もうどうしていいかわからない」「一生懸命やっても変わらない」と感じ、泣き崩れてしまう日だってあると思います。
親御さんが身も心も疲れてしまうのは、当然のことです。

ですが、あきらめる訳にもいきません。
ですので、親御さんの心が折れそうになった時に試してほしい、心がスッと軽くなる具体的な対処法を紹介します。
少しでも気持ちが楽になるよう、参考にしてみてくださいね。

① 「疲れて当たり前」と思ってOK

まず、無理に自分を責めないでください。子どもの行動に向き合っていること自体、すでに素晴らしい努力です。
何か問題が起きたとき、「私の育て方が悪いのかな…」と悩んでしまうかもしれませんが、あなたががんばっていることは十分に周囲に伝わっています。
親だって人間ですから、疲れるのは当たり前。自分をいたわってあげることを忘れないでください。

具体例
今日はどうしても気持ちがついていかない日。そんな時は、「今日は休んでもいい日だ」と心に決めて、子どもが寝た後にひとりの時間を持ってみてください。
好きな音楽を聴きながら、温かいお茶を一杯飲むだけでも、心が少し楽になります。

「完璧じゃなくても大丈夫。今日は頑張ったから明日もまたちょっとだけ頑張ればいい」と自分に優しく声をかけてあげてください。

また、やれる方は「頑張ったらダメだよ。ちょっとだけやれば大丈夫だよ」と身体の力を抜いてあげてください。頑張らなくてよいのですし、正直言うと、「頑張る!」って力を入れると、うまくいかないのです。

② 少しでも一人になれる時間をつくる

子どもが暴力をふるってしまうと、親御さんは心を痛め、自分を責めてしまう場合が多いと思います。
決してそんなことではないのですか、そんな思いが消えない時は、自分の心をリセットするための時間を作ってください。たとえほんの数分でも、一人になって、ゆっくり深呼吸して、自分に「お疲れ様」「よくやってるよ」と言ってあげてください。そうでないと、大切な親御さんの心が守れなくなってしまいます。

具体例
「今日はどうしても一人になりたい!」そんな気持ちが溢れるときは、無理に我慢せず少しでも自分だけの時間を作りましょう。

例えば、子どもが昼寝をしている間にちょっと距離をおく、ご主人がいるなら、お願いして外出するなど。もし家の中から出られないとしても、「トイレに行ってくるね」と言って、ほんの数分間でも一人になってみてください。

外に出られたなら、近所のカフェでお茶を飲む、公園を散歩する、そんな時間を持つだけでもリフレッシュできます。自分だけのちょっとした時間を持てれば気分が軽くなり、また子どもと向き合う力が湧いてきます。

一人になれる時間を意識的に確保して!
• 1分でもいいのでトイレで深呼吸
• 家族に子どもを見てもらい30分だけ散歩
• お風呂の中でお気に入りの音楽を聴く
• お気に入りのカフェや香りのいいお茶

③ 他の人に話す・頼る

親とは言え、自分一人で抱え込んでしまうのはとても辛いことです。そんなときこそ、周りの人に頼りましょう。
例えば、家族や友人に自分の気持ちを打ち明けてみる、もしくは、発達障害の親の会やSNSで同じ悩みを持つ人たちと情報交換をすることも有効です。
誰かに話すことは、とても大きな心の支えになるのです。

また、必要であれば、専門家の力を借りることも大切です。カウンセリングや医療機関の相談員に話すだけで、心が軽くなることがあります。
誰かに話すだけで「こんなに楽になるんだ」と実感できることは多いです。できれば、すぐに実践してみてくださいね。

※こんな人たちに話して、相談してみて!
• 家族や友人、支援センターの相談員に話す
• 発達障害の親の会やSNSで共感をもらう
(同じ悩みを共有できるとホッとできます)
• 必要なら医療機関やカウンセリングを利用する

④ 100点じゃなくて「40点でOK」

親として完璧を目指すあまり、自分を追い込んでしまう人は多いです。気持ちはとってもよくわかるのですが。。。

実は、「100点」を目指さなくても大丈夫なんです!

完璧な育児は現実的ではありませんし、毎回完璧に対応できる親なんてこの世に存在しません。「今日は怒らなかっただけでよし」「3回に1回は共感できたらOK」と、グッとゆるい基準を設けておきましょう。そうすると心が楽になります。親だって完璧じゃなくていいのです。

介護の世界では、『いいかげんが良いかげん』と合言葉のように言われています。
大事なのは、続けていくことですし、そのためには多少『いいかげん』じゃないと続きません。そのようにしていけば、必ず前に進んでいけるので、それが『良いかげん』なのです。

⑤ 肯定術は「長期戦」だと割り切る

肯定術の効果がすぐに現れるわけではなく、少しずつ変化していくものです。
だからこそ、「すぐに結果を出さなければ」と焦らないでください。

どんなことでもそうですが、「昨日できなかったことが、今日は少しできた」というような小さな進歩が積み重なり、最終的に大きな変化を生み出すものです。

親の関わりが変われば、子どもの心は必ず変わっていきます。長期的な視点で見ていかないと親御さんも疲れてしまいます。ゆっくり、焦らずに続けていきましょう。

発達障害で暴力的な子どもは、理解されると変わっていく

発達障害の子が暴力的になってしまうのは、「自分でもどうしていいかわからない」から、「誰かに助けてほしい」と訴えているサインです。

暴力をただ止めるのではなく、その奥にある、お子さんの本当の気持ちをわかってあげると、お子さんも安心します。「わかってくれてる」と感じられたとき、子どもは落ち着きを取り戻し、少しずつ行動を変えていけるのです。

肯定術は、魔法のような即効薬ではありません。けれど、毎日の積み重ねが、確実に子どもの未来を変えていきます。親御さんも疲れを溜めすぎないよう、ゆっくりと歩んでいってください。

この記事を書いた人

水巻 晃子 / 家庭教師のゴーイング サポート責任者

メッセージ:
小中学生時代、勉強やスポーツに励む一方で、特定の分野に苦手意識を抱えて悩んだ時期があった。サポートしてくれた周囲の理解と工夫のおかげで、少しずつ自分のペースで成長できた経験を持つ。その体験から、発達障害を持つ子どもたちや、勉強が苦手な生徒の力になりたいと考えるように。個々のペースに合わせた柔軟なサポートを得意とし、小さな成功体験を積み重ねる大切さを大事にしている。

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