IQの平均はどれほどになる？日本人の平均と高低差を解説

「IQとは何か知りたい」
「日本人のIQの平均値を知りたい」
「IQの高い人の特徴を理解したい」
「IQの測定方法について知りたい」
このようなお悩みを抱えている保護者の方やお子様も多いのではないでしょうか？
IQは遺伝的な要素と環境的な要素によって決まるものです。
本記事では、IQの定義から日本人の平均値、子どもがIQを高めるための方法、IQを測定するための検査方法を解説します。
さらに、IQが高い人の特徴も紹介します。
IQのことを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

IQの平均値はどれほどになる？

IQの平均値について、以下のとおり紹介します。

• IQの定義
• 世界的に見たIQの平均値と分布
• IQのテストで測定される能力

具体的な内容を見ていきましょう。

IQの定義

IQ（知能指数）の定義は、個人の認知能力や知的能力を数値で表したものです。
これらの数値は、主に数学的能力、言語的理解力、空間認識能力などの要素を総合的に測定し、知能を評価します。
IQテストで算出される結果は、標準化されたテストの結果に基づき、個々の知能を相対的に評価するものです。
ただし、IQは知能の一側面に過ぎず、創造性や感情的知性などの他の能力を完全に測定するものではない点にも留意が必要です。

IQのテストで測定される能力

IQテストで測定されるのは、主に論理的思考力、言語能力、空間認知能力、そして数学的な能力です。
これらの能力を総合的に評価することで、個人の知能水準が数値化されます。
具体的には、論理的な問題解決能力や数的推論力、言葉の理解力、空間的な物体の認識や操作能力などがテストされ、結果としてIQスコアが算出されます。
その結果、問題解決能力や計算力などの知的能力の一部が示されますが、感情的知性や社交性といった側面は反映されません。

日本人のIQ平均はどのくらい？世界比較も含めて紹介

次に日本人のIQ平均に関して、以下のとおり解説します。

• 日本人のIQ平均値と特徴
• 世界における日本のIQランキング
• 他国との比較による日本人の知能傾向

それぞれ詳しく見ていきましょう。

日本人のIQ平均値と特徴

日本人の平均IQはおおよそ105とされています。
日本人の平均IQは世界的な平均である100と比較してやや高い数値です。
日本人は全体的に数学的・論理的思考力や記憶力に優れている傾向があり、この点がIQの高さに影響を与えていると考えられます。
日本におけるIQの分布も、他国と同様に正規分布を示しており、IQが85から115の範囲に約68%の人々が含まれます。
ただし、IQはあくまで知能の一部を測定する指標であり、創造性や感情的な知性など他の要素を考慮することも重要です。

世界における日本のIQランキング

世界における日本のIQランキングは、非常に高い位置にあるのが特徴です。国際的な調査であるWorldwide IQ Testによれば、日本は常に上位にランクインしており、平均IQは105前後とされています。
世界的な平均である100を超える結果であり、日本人の知能水準が高いことを示しています。
とくに、数学的思考力や論理的な問題解決能力が高く評価されており、他のアジア諸国とともに上位に位置しています。
これらの結果は、教育環境や文化的背景が知能に与える影響を反映していると考えられます。

2024年に実施された、Worldwide IQ Testによる国別の平均IQランキングの詳細は以下のとおりです。

順位	国名	平均IQ	標準偏差	クロンバックのα係数
1	日本	112.30	12.34	0.83
2	ハンガリー	111.32	14.47	0.85
3	台湾	111.19	11.56	0.80
4	イタリア	110.82	15.96	0.86
5	韓国	110.80	14.41	0.84
6	セルビア	110.77	16.74	0.87
7	イラン	110.29	14.04	0.84
8	フィンランド	109.66	18.60	0.88
9	香港	109.55	13.16	0.82
10	ベトナム	108.80	13.62	0.83
11	スロベニア	108.38	14.02	0.85
12	トルコ	107.86	17.07	0.85
13	クロアチア	107.48	13.67	0.82
14	モンテネグロ	107.44	14.69	0.83
15	チェコ共和国	107.30	15.05	0.86
16	オーストリア	107.17	14.71	0.85
17	ノルウェー	106.97	18.89	0.87
18	スウェーデン	106.62	16.77	0.86
19	スロバキア共和国	106.61	13.20	0.82
20	ルーマニア	106.43	14.93	0.84
21	スイス	105.69	14.46	0.84
22	キプロス	105.60	15.91	0.84
23	ドイツ	105.24	14.57	0.84
24	イスラエル	105.05	15.56	0.84
25	ギリシャ	104.92	15.42	0.85
26	ボスニア・ヘルツェゴビナ	104.71	14.59	0.81
27	ブルガリア	104.07	13.98	0.83
28	シンガポール	104.00	14.56	0.84
29	モンゴル	103.02	13.22	0.79
30	ポーランド	102.89	15.79	0.85
31	スペイン	102.69	13.86	0.83
32	ペルー	102.64	13.12	0.81
33	スリランカ	102.51	12.81	0.79
34	デンマーク	102.43	14.76	0.85
35	オランダ	102.35	13.71	0.82
36	ルクセンブルク	102.22	14.23	0.80
37	ベルギー	102.14	13.25	0.82
38	マレーシア	102.12	13.22	0.81
39	北マケドニア	101.30	13.47	0.82
40	シリア	100.96	11.66	0.76
41	ニュージーランド	100.60	14.17	0.83
42	エストニア	100.56	13.15	0.83
43	フランス	100.37	12.95	0.81
44	レバノン	99.96	12.42	0.81
45	ベラルーシ	99.76	12.35	0.79
46	イラク	99.69	12.86	0.79
47	チュニジア	99.46	12.23	0.76
48	カナダ	99.45	12.87	0.81
49	モロッコ	99.44	12.93	0.80
50	インド	99.39	11.37	0.77

他国との比較による日本人の知能傾向

日本人の知能傾向は、他国と比較しても独特な特徴を持っています。
一つの要因として、日本人は漢字、ひらがな、カタカナといった複雑な文字体系を幼少期から習得し、言語能力が高く鍛えられている点があげられます。
また、歴史的に教育水準が高く、江戸時代の寺子屋制度が庶民の識字率向上に寄与しました。
さらに、自然災害の多い環境で育った日本人は、慎重さや警戒心が強く、これが高い集中力や注意力につながっているとも考えられています。
このように、日本人の知能傾向は文化的・遺伝的要因が影響しているとされています。

IQが高い人の特徴

IQが高い人の特徴は、以下の5つです。

• 論理的思考に基づいてわかりやすく話せる
• 記憶力が優れており、情報の吸収が速い
• 思考が迅速で、同時に複数のタスクをこなせる
• 探究心が強く、豊富な知識を取り込める
• 短い時間で物事の核心を把握できる

それぞれを確認していきましょう。

論理的思考に基づいてわかりやすく話せる

IQが高い人は、論理的思考に基づいて物事を整理し、わかりやすく話す能力に優れています。
彼らは事実に基づいた合理的なアプローチを得意とし、感情に左右されず冷静に状況を分析する傾向があります。
このため、複雑な内容でも明確に説明し、相手に伝わりやすい形で話せるでしょう。
しかし、その論理的な姿勢から、相手への共感や感情的なサポートにはやや弱い面があり、とくに感情面での繊細な対応が苦手な場合もあります。

記憶力が優れており、情報の吸収が速い

IQが高い人は、優れた記憶力と速やかな情報吸収能力を持つことが特徴です。
IQが高い人は、物事の構造や関係性を深く理解する力に優れており、この分析能力が効率的な記憶形成につながっています。
新しい情報を迅速に理解し、忘れることなく覚えられるため、一度見聞きした内容をすぐに実行に移すことが可能です。
このような能力は、仕事や学業においても非常に有利で、複雑なタスクでも短期間で習得できるというメリットがあります。

思考が迅速で、同時に複数のタスクをこなせる

IQが高い人は、思考のスピードが非常に速く、複数のタスクを同時にこなす能力に優れています。
彼らは物事の本質を瞬時に見抜き、状況に応じて適切な優先順位をすぐに判断します。
この迅速な思考力により、タスクの進行を効果的に管理し、複雑な仕事を同時並行でこなすことが可能です。
また、会話や議論の際にも、相手の話を素早く理解しつつ、自分の感情と切り離して論理的に対応するため、効率的かつ的確に指示や説明を行うことができる点も特徴です。

探究心が強く、豊富な知識を取り込める

IQが高い人は、強い探究心を持ち、豊富な知識を効率的に取り込む能力が際立っています。
彼らは物事の本質を理解しようとする強い知的好奇心を持っており、他者が見逃しがちな事柄にも深い関心を寄せます。
また、偏見や先入観にとらわれず、新しい情報や知識に対してオープンな姿勢を持っているため、多様な分野において豊富な知識を吸収できるのも特徴です。
この好奇心と学習意欲が、彼らの知的成長をさらに加速させる要因となっています。

短い時間で物事の核心を把握できる

IQが高い人は、短い時間で物事の核心を把握する能力に優れています。
これは、彼らの論理的思考力と高い情報処理能力が関係しているため、複雑な問題や状況に直面しても素早く本質を見抜くことができるでしょう。
さらに、頭の回転が速く、必要な情報を短時間で吸収し、効果的に活用できるため、勉強や仕事においても高い成果を上げられます。こうした迅速な判断力は、限られた時間の中でも的確な意思決定を行うための大きな強みです。

IQを測定するための検査方法とは？

IQを測定するための検査方法は、以下の3つです。

• ウェクスラー式知能検査
• 田中ビネー知能検査
• K-ABC（ケー・エービーシー）

気になる方は、それぞれの内容をチェックしてみましょう。

ウェクスラー式知能検査

ウェクスラー式知能検査は、1939年に発表されたウェクスラー・ベルビュー知能検査を基にした知能検査で、長い歴史を持つ信頼性の高いテストです。
この検査は年齢ごとに異なる形式があり、幼児用のWPPSI、児童版のWISC、成人用のWAISの3種類に分かれています。すべて個別に行われ、専門家が1対1で実施します。
ウェクスラー式検査は、受検者の知能水準を測定するだけでなく、得意分野や苦手分野を特定し、教育や支援に役立てられるでしょう。

田中ビネー知能検査

田中ビネー知能検査は、子どもの知能発達を測定するために用いられる検査で、元々フランスのビネーが開発した知能検査を基に、日本の心理学者である田中寛一によって改良されました。
この検査は、知能指数（IQ）や精神年齢を評価し、子どもの発達ペースを客観的に把握するために使用されます。
検査は2歳から成人まで幅広い年齢層を対象にしており、年齢ごとに適した問題が出題されるのがポイントです。
最新版の「田中ビネー知能検査Ⅴ」は、現代の子どもの発達に合わせて改訂され、診断や教育相談に広く活用されています。

K-ABC（ケー・エービーシー）

K-ABC（ケー・エービーシー）は、子どもの認知能力と基礎学力を個別に測定する検査です。
この検査は、知的能力だけでなく学力面の基本的な習得度を評価できるため、両者のバランスや差異の分析が可能です。
たとえば、平仮名やカタカナ、漢字の読み、文の理解力など、具体的な学力要素を測定し、子どもの得意な分野や苦手な分野を明確にします。この情報は、教育的支援や指導に活かされ、個々の子どもに合った学習サポートを提供するための有用なツールとなっています。

子どもがIQを高めるための実践的な方法とは？

子どもがIQを高めるための実践的な方法は、以下の3つです。

• 本を声に出して読み上げる
• 活発に遊びを取り入れる
• 家族で積極的に会話を交わす

具体的な内容を見ていきましょう。

本を声に出して読み上げる

本を声に出して読み上げることは、子どもの知能や言語能力の発達に大きな影響を与えます。
とくに、絵本を一緒に読むことで、子どもは新しい単語や表現に触れ、語彙力が向上するだけでなく、読解力や集中力も養われます。
声に出して読む行為は、単に文章を理解するのはもちろん、言葉のリズムや抑揚を感じ取ることにもつながり、子ども自身が言語を使いこなすための基盤を作るのに役立つでしょう。
また、親子で一緒に本を楽しむことは、感情的なつながりを深め、共感力や想像力の育成にも貢献します。

活発に遊びを取り入れる

子どものIQを向上させるためには、活発に遊びを取り入れることが重要です。
とくに運動を通じて体を動かすことは、脳の活性化につながり、集中力や判断力、ワーキングメモリの向上が期待できます。
単に机に向かって勉強するだけでなく、身体を使った遊びを取り入れることで、効率的に知能を伸ばせるでしょう。
また、積み木遊びなども有効です。積み木は、指先の器用さや空間認識能力を鍛えるだけでなく、創造力や集中力の向上にも役立ちます。
親子で競争したり、形を真似するなどの工夫を加えると、子どもの興味を引き、効果的に遊びを取り入れられます。

家族で積極的に会話を交わす

家族で積極的に会話を交わすことは、子どもの知能発達に大きな影響を与えます。
とくに、日常生活の中で子どもの意見を聞くことで、思考力や判断力を養う機会を提供できます。
たとえば、夕食のメニューや家族での活動に関して「どちらが良い？」といった簡単な質問を投げかけることで、子どもは自分で考える力を鍛えられます。
また、ニュースなどを一緒に見て、子どもの意見を求めることで、社会的な視点や批判的思考を身につける助けにもなります。
こうした会話の中で、子どもの考えを尊重し、発言する場を与えることが重要です。

IQに関するよくある質問

IQに関するよくある質問は、以下のとおりです。

• IQは遺伝で決まるの？
• 子どものIQを高めるためにできることとは？
• IQが人生に与える影響とは？

具体的な内容を見ていきましょう。

IQは遺伝で決まるの？

IQは遺伝と環境の両方によって影響を受けます。科学的な研究によれば、IQの約50％は遺伝的要素に基づいていて、親から受け継がれる知能の影響は大きいとされています。
しかし、残りの50％は環境要因が関与しており、育った環境や教育、生活経験がIQの発達に重要な役割を果たすでしょう。
したがって、遺伝が全てではなく、子どもがどのような環境で学び、どのように刺激を受けるかが、知能の成長に大きく影響を与えることがわかっています。

子どものIQを高めるためにできることとは？

子どものIQを高めるためには、日常的な関わり方や環境の工夫が重要です。
まず、幼い頃から両親との会話を大切にし、騒音を避け、子どもが興味を持つ話題で積極的に話しかけることが効果的です。
とくに生後9～13ヶ月の間は、言葉の理解が急速に進む時期であり、この期間に1日30分以上の会話を持つことが推奨されます。
また、休日にはさまざまな体験を提供し、五感を刺激する遊びや活動を取り入れることも大切です。
外の世界から得る刺激や、親との共同作業を通じて、子どもの知的好奇心や学習能力を高められるでしょう。

IQが人生に与える影響とは？

IQは人生に多大な影響を与える要素の一つですが、それだけでは職業的成功を決定づけるものではありません。す。気になる方はぜひお気軽にご相談ください。

一般的に、IQが高い人は問題解決能力が優れ、職務を効率よく遂行できるため、職場でのパフォーマンスも良好であることが多いです。
しかし、成功には他にも重要な要素があります。性格特性やコミュニケーション能力、社会的スキルなども、職業的な成就に影響を与えるため、IQだけでなく、さまざまな能力をバランス良く育むことが求められます。
結果として、IQは人生の選択肢を広げる要因の一つとして機能しますが、成功の全てを保証するものではありません。

IQの平均まとめ

今回の記事では、IQの定義から日本人の平均値、IQが高い人の特徴、IQを測定するための検査方法などを解説しました。
IQは遺伝的な要素と環境的な要素によって決まります。
子どもがIQを高めるためには、本を声に出して読み上げたり、活発に遊びを取り入れたりして行動をする必要があります。
IQが高くない場合でも、お子様に合った学習方法を実施できる家庭教師から指導を受けることで、お子様の能力だけでなく学力も伸ばせるでしょう。
弊社ではお子様に対して適切に指導を行える家庭教師も在籍していま