勉強の遅れや日常生活の不安、解消します!

不登校の子に親がやってはいけないNG対応

不登校の子どもに親がやってはいけないことは、大きく「追い詰める対応」と「関心を示さない対応」の2つです。どちらも親の愛情や心配から出た行動であっても、結果として子どもの心を深く傷つけてしまうことがあります。この記事では、親御さんが無意識のうちにやりがちなNG対応を4つの型に分けて詳しく解説し、その代わりに明日からどう関わればいいのかを具体的にお伝えします。

お子さんの成績に不安を感じていませんか?

家庭教師のゴーイングには、勉強が苦手なお子さんや不登校・発達障害のお子さんを成績アップに導いてきた経験豊富な先生が揃っています。
ぜひ、ゴーイングのホームページでお住まいのエリアで活躍中の先生をチェックしてみてください!

もくじ

親がやってはいけないことは「追い詰める対応」と「無関心な対応」の2つ

親の対応しだいで子どもの回復スピードは変わる

不登校の子どもは、学校に行けない自分を誰よりも激しく責めています。布団の中で「このままではいけない」「親に申し訳ない」と毎日葛藤を繰り返しています。そこに親の心ない言動や焦りが加わると、子どもの心は逃げ場を失い、さらに深く追い込まれてしまいます。心身のエネルギーが枯渇した状態では、立ち上がる気力を生み出すことはできません。一方で、親が適切な距離感を保ち、安心できる環境を整えて関わると、子どもは少しずつ本来の自分を取り戻していきます。つまり、ご家庭での親の対応が、子どもの回復に直接的につながるということです。

ただし「正しい対応」を毎日完璧にこなす必要はありません。親御さん自身も不安でいっぱいのなかで、100点満点の対応を続けることは不可能です。まず知っておきたいのは「これだけはやらないほうがいい」という具体的な行動です。日常のなかで、やってはいけないことを一つずつ減らしていくだけでも、家の中の空気は穏やかになり、お子さんの表情や状況は確実に変わっていきます。

NG対応は「4つの型」に分けて考えるとわかりやすい

親がやってはいけない対応はさまざまありますが、大きく整理すると次の4つの型に分類できます。ご自身の普段の言動を思い浮かべながら確認してみてください。

  • 圧力型 学校に行かせようと、言葉や行動で働きかける言動です
  • 感情型 親自身の不安・怒り・悲しみを、そのまま子どもにぶつける言動です
  • 過干渉型 心配するあまり先回りして、子どもの課題まで何でもやってしまう対応です
  • 放置型 腫れ物のように扱い、不登校の話題を避けたり関心を示さなくなったりする対応です

ほとんどの親御さんが、この4つのうちいずれかに心当たりがあるのではないでしょうか。ショックを受ける必要はありません。どの型も、根っこにあるのは「子どもの将来が心配」「どうにかして助けたい」という深い愛情です。愛情ゆえの行動だからこそ、ご自身では客観的に自覚しにくく、悪気のないまま続けてしまいやすいのです。

ここからは、それぞれの型について具体的にどんな言動がNGに当てはまるのか、そして、それがなぜ子どもの心を傷つけ、回復を遅らせてしまうのかを順番に詳しく解説していきます。

やってはいけない対応①「圧力型」|登校を促す言葉と行動

「明日は行けそう?」が毎日のプレッシャーになる

「明日は学校どうする?」「今週の金曜日くらいは行けそう?」
夕食のあとや寝る前など、この問いかけをつい口にしていませんか。親としては、お弁当の準備や学校への連絡があるため、ただ予定を確認しているだけのつもりかもしれません。しかし、子どもにとっては「毎日、行くか行かないかの重い決断を迫られている状態」になります。

不登校の子どもの多くは、「学校に行きたくない」のではなく「行きたいけれど、どうしても行けない」と感じています。その苦しい葛藤のなかで「明日は?」と聞かれると、行けない自分、親の期待に応えられない自分を毎日突きつけられるような気持ちになります。結果として、夜眠れなくなったり、朝がくるのが怖くなったり、親の前で本音を話せなくなったりすることがあります。何度も聞かれることで、家の中に居場所がないと感じてしまうことも少なくありません。

先の見通しが立たない不安から、予定を確認したい気持ちはとてもよくわかります。でも「あえて聞かない」という選択が、子どもを安心させることもあります。子どもが自分から「明日は行ってみようかな」と言い出すまでは、登校の意思確認はぐっと堪えておくことをおすすめします。

「将来どうするの?」は今いちばん言ってはいけない言葉

「このままだと高校に進学できないよ」「大人になってから困るのはあなただよ」「将来どうするつもり?」
子どもの行く末を案じる不安から、つい出てしまう言葉です。親御さんとしては、現実の厳しさを教えて奮起させようという意図があるのだと思います。ですが、不登校の最中にある子どもは、「今日一日を生き過ごすこと」だけで精一杯な状態にあります。

心のエネルギーが空っぽのときに将来の話を持ち出されると、子どもは「今の自分はダメだ」「自分はもう終わりだ」と深く絶望してしまいます。まだ10代の子どもにとって、社会から切り離されて将来の見通しが立たない恐怖は、大人が想像する以上に巨大なものです。その恐怖に塩を塗るような言葉は、子どもから立ち上がる力を奪ってしまいます。

将来や進路の話は、子どもが十分に休んで少し元気を取り戻し、「これからどうしようかな」と自分から口にし始めてからで十分に間に合います。今は焦らなくても大丈夫です。安心できる環境があれば、そのタイミングは必ずやってきます。

朝起こす・制服を出す・時間割を見せる|「間接的な圧力」にも注意

圧力は言葉だけで伝わるわけではありません。行動による無言の圧力にも注意が必要です。たとえば、毎朝決まった時間に起こしにいく、洗ってアイロンをかけた制服をハンガーにかけて目に入る場所に吊るしておく、学校のプリントや時間割をリビングの見えるところに貼っておく。これらはすべて、子どもに対して「学校に行ってほしい」という強烈なメッセージになります。

子どもは親の期待や感情の変化にとても敏感です。直接「行きなさい」と言葉にしなくても、こうした親の行動から「やっぱりお母さんは私に行ってほしいんだ」「休んでいる私は親不孝だ」と敏感に感じ取ります。もし心当たりがあれば、明日の朝から少しずつ、これらの「間接的な登校刺激」を減らしてみてください。制服は見えないクローゼットにしまうだけでも、子どもはホッと息をつくことができます。

やってはいけない対応②「感情型」|親の気持ちを子どもにぶつけてしまう

「お母さんが恥ずかしい」「なんで行けないの?」が残す傷

「近所の人に何て思われるか」「お母さんだって仕事もあって辛いのに」
こうした言葉は、親御さん自身が心身の限界を感じているサインでもあります。先の見えない不安に追い詰められて、ついポロリと出てしまうお気持ちは、決して責められるものではありません。

ただ、子どもの立場で考えると、これらの言葉は「自分のせいで大好きなお母さんが苦しんでいる」という強烈な罪悪感に直結します。深い罪悪感を抱えた子どもは、親に自分の素直な気持ちや弱音を話すことをやめてしまいます。「これ以上、自分のことでお母さんを困らせたくない」と心を閉ざしてしまうからです。

「どうして学校に行けないの?」という問いかけも同様に子どもを苦しめます。多くの場合、子ども自身にも「なぜ行けないのか」という明確な理由がわからないのです。体が動かない、涙が出る、お腹が痛くなるという症状があっても、その根本的な原因を言葉で説明できる子どもは稀です。理由を聞かれても答えられず、黙り込むしかなくなり、さらに自分を責めてしまいます。

言葉にしなくても、ため息や暗い表情は伝わっている

直接的な言葉を言わないよう気をつけていても、親の深いため息、食卓での暗い顔、不自然な沈黙
こうした非言語のメッセージは、子どもにしっかりと届いています。

子どもは「お母さん、今日も元気がないな」「私が学校を休んでいるからだ」「私のせいだろうな」と、驚くほど正確に家庭内の空気を読み取ります。もちろん、親御さんも人間ですから、常に明るく笑顔でいるという完璧を演じる必要はありません。しかし、「親が自分のせいでずっと悲しんでいる」と感じさせ続ける状況は、子どもの自己肯定感を下げ、回復を遅らせる要因になります。

親御さん自身が、溜まった不安や苦しい気持ちを吐き出せる安全な場所を持つことが、結果的に子どもを守ることにつながります。配偶者、親しい友人、あるいは公的な相談窓口など、誰でも構いません。自分の感情を否定せずに受け止めてもらえる相手を見つけておくと安心です。

やってはいけない対応③「過干渉型」|心配が裏目に出る関わり方

「全部やってあげる」が子どもの自信を削っていく

学校に行っていない子どもの姿を見ると、親としては「せめて家の中では不自由なく過ごしてほしい」「これ以上困らないようにしてあげたい」と、食事の用意から部屋の掃除、洗濯、身の回りの細かなことまで、すべてを整えてあげたくなります。子どもが深く傷ついている時期だからこそ、何もさせたくないという保護者の気持ちはごく自然なものです。

しかし、日常の小さなことまで親がすべて肩代わりしてやってしまうと、子どもは「自分には何もできない」「親がいなければ生活できないダメな人間だ」と感じるようになってしまいます。学校に行けていない無力感に包まれている時期だからこそ、家庭内での「自分でできた」という小さな成功体験が、心を回復させる土台になるのです。

食べたお皿を洗う、自分の洗濯物をたたむ、自分の部屋のゴミを捨てる
こうした日常の小さな役割をあえて残しておくことで、子どもは「自分にもまだできることがある」「家族の役に立っている」と感じられます。手出しをしたくなる気持ちを抑え、見守る勇気を持つことが大切です。

行動の先回りと「あなたのためだから」の落とし穴

「今日は体調どう?」「お昼ご飯ちゃんと食べた?」「夜はちゃんと寝てる?」
こうした心配ゆえの声かけが一日に何度も繰り返されると、子どもは親から常に監視されているように感じて息苦しくなります。

また、「あなたのことが心配だから言うのよ」「あなたのためを思って言ってるの」という前置きも、子どもにとっては重たい負担になりやすいです。親御さんが心配していることは、言われなくても子どもには十分に伝わっています。大切なのは、子どもの行動を親がコントロールするのではなく、子ども自身が「自分で決められる余白」を残してあげることです。

もし声をかけるなら、問い詰めるような質問形式ではなく、「お昼ご飯、テーブルに置いてあるよ」「何か手伝ってほしいことがあったら言ってね」くらいの、返事を求めない伝え方がちょうどいいバランスです。子どもが自分のペースで動ける空間を担保してあげてください。

やってはいけない対応④「放置型」|見守りと無関心は違う

「そっとしておこう」が「関心がない」に変わる瞬間

不登校に関する情報を調べると「見守りましょう」という言葉に多く出会うはずです。
「今は何も言わないほうがいい」「そっとしておこう」
この判断自体は決して間違いではありません。子どもには休息が絶対に必要です。ただし、「そっとしておく」という態度が、いつの間にか「一切触れない」「不登校の話題を完全に避ける」「子どもの様子をまったく見なくなる」という状態に変わってしまうことがあります。

子どもの側から見ると、親が自分の状態に一切触れなくなり、会話も極端に減った状態は、「お母さんは私にもう関心がないんだ」「見捨てられたんだ」「諦められたんだ」と映ることがあります。腫れ物に触るような態度は、かえって子どもを孤独にさせます。

適切な「見守る」と、冷たい「放置」の境界線は、親が子どもの小さな変化に気づける状態かどうかです。同じ家の中にいても、子どもの表情が少し明るくなったことや、生活リズムの微細な変化を感じ取れていなければ、それは見守りではなく放置になっているかもしれません。

子どもが求めているのは「話したいときに話せる空気」

不登校の子どもの多くは、「今すぐ自分の気持ちをすべて聞いてほしいわけではないけれど、自分が話したくなったときには、いつでも優しく聞いてもらえる安心感」を強く求めています。

その安心感を作るためにできることは、意外とシンプルです。同じリビングで一緒にテレビを見て笑う、同じ部屋で親は本を読み子どもはゲームをするというように別々のことをする、そして毎日の「おはよう」「おやすみ」「ご飯美味しいね」という何気ない声かけを続けること。こうした日常の温かい接点の積み重ねが、「私はいつでも親に受け入れられている」「話していいんだ」という深い安心感につながります。

大事なのは、無理に特別なイベントを企画したり、深刻な話し合いの場を設けたりすることではなく、日常のフラットな関わりを途切れさせないことです。

「自分の対応は大丈夫?」を確かめる10の項目

ここまで4つのNG対応の型を紹介してきましたが、「今の自分の関わり方はどうだろう?」と不安や心配になった方も多いのではないでしょうか。以下の10項目を使って、ご自身の普段の言動を振り返ってみてください。

当てはまるものが多いほど、お子さんに知らず知らずのうちにプレッシャーを与えたり、追い詰めたりしている可能性があります。ただし、当てはまったからといって「私はダメな親だ」と自分を責めないでください。自分の行動のクセに気づいたこと自体が、状況を良い方向へ変えるための大きな第一歩です。

【振り返りの10項目】

  • 朝になると「今日はどうするの?」「学校は行けそう?」と予定を確認してしまう
  • 「将来」「進学」「勉強の遅れ」に関する話題を子どもの前で出すことがある
  • 子どもの前で深いため息をついたり、無意識に暗い表情になったりすることが多い
  • 「なんで行けないの?」「理由だけでも教えて」と何度も聞いたことがある
  • 子どもの生活リズム(起床時間、食事の量、入浴の有無など)を細かく管理・指摘している
  • 「あなたのためを思って言っているのに」と前置きして話をすることがある
  • 子どもと不登校や今後のことについて、最後に話したのがいつか思い出せない
  • 子どもの表情、声のトーン、食事の様子などの微細な変化に最近気づけていない
  • 不登校のことを家庭内で絶対に触れてはいけないタブーのように扱っている
  • 子どもの苦しい気持ちよりも、親自身の「早く安心したい」という不安の解消を優先しようとしている

当てはまる数が0〜2個の場合は、今の関わり方をおおむね続けていただいて問題ありません。お子さんは家庭を安全な場所だと感じられているはずです。3〜5個の場合は、この記事で紹介した対応を意識して、少しずつ言葉かけや態度を変えてみてください。6個以上当てはまる場合は、親御さん自身も不安やストレスで心身の疲れがたまっている可能性が高いです。まずはお子さんのことよりも、ご自身の休息と心のケアを優先することをおすすめします。

NG対応をやめたあと、親はどう関わればいいのか

「やってはいけないNG行動」がわかって少しずつ減らせるようになっても、「じゃあ、具体的にこれからどう関わっていけばいいの?」という疑問が残ると思います。ここでは、親子の適切な関わり方を整理するための、ひとつの考え方を紹介します。

「3つの距離感」で今の親子関係を見直す

不登校の子どもと接する際は、「物理的な距離」「心理的な距離」「時間の距離」という3つの距離感で整理するととてもわかりやすくなります。親御さんがこの3つのバランスを少し意識するだけで、「干渉しすぎず、かといって離れすぎない」という、子どもにとって最も心地よい関わり方が見えてきます。

物理的な距離|同じ空間にいるけれど干渉しない

子どもと同じリビングや部屋にいる。でも、子どもがスマホで何を見ているか、ゲームを何時間やっているかを逐一チェックしたり口出ししたりしない。「同じ空間に一緒にいるけれど、それぞれが自分の好きなことをして過ごしている」という状態が、傷ついた子どもにとっていちばん安心できる物理的な距離感です。

もし、お子さんが自室にこもりがちで顔を合わせる時間が少ない場合、「たまにはリビングに来なさい」と無理に促すのは逆効果です。そうではなく、リビングが「いつ来ても居心地のいい場所」であることを保つことだけに注力してください。テーブルにお気に入りのおやつを置いておく、子どもが好きなテレビ番組や音楽をさりげなく流しておくなど、間接的な工夫で構いません。居心地が良ければ、子どもは自然と部屋から出てくるようになります。

心理的な距離|気持ちを聞く準備だけしておく

「今、何を考えてるの?」「何か話したいことある?」と、親の方から無理に気持ちを聞き出そうとするのは心理的な距離が近すぎます。大切なのは、子どもがふと話し始めたときに、親がいつでもすぐ聞ける態勢でいることです。

具体的には、子どもが何か言いかけたときには、持っているスマホをテーブルに置く、テレビから目を離して体を子どもに向ける、「うん、うん、それで?」と否定せずにうなずく。こうした小さな「受け止める反応」の積み重ねが、子どもとの間に心理的な安全な橋を架けていきます。「どうせ話してくれないから」と親が諦めるのではなく、「いつでもあなたの話を聞く準備ができているよ」という構えを態度で示し続けることが大切です。

時間の距離|回復のペースは子どもに委ねる

「不登校が始まってからもう3か月だから、そろそろ別室登校くらいは……」「来年の春の進級までにはなんとか……」
親の頭の中には、どうしても時間的なタイムリミットが浮かんでしまいます。しかし、子どもの心の傷の深さも、回復にかかる時間も人それぞれであり、明確なスケジュールは誰にも引けません。

親が心の中で焦っていると、その焦りは空気となって必ず子どもに伝わります。
「いつ学校に戻ってもいいし、このまま戻らなくてもあなたの価値は変わらない」
親が腹を括ってこの構えを持つことが、結果的に子どもの心の負担を取り除き、回復を早めることにつながります。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、「時間を急がないこと」がいちばんの近道になるのです。

「結局どうすればいい?」に答える判断の道すじ

ここまで読んでいただいて、「いろいろな型や距離感の話は理解できたけれど、結局のところ、今の自分は今日から何を変えればいいのだろう?」と迷われている方もいるかもしれません。以下の流れに沿って、ご家庭の状況を当てはめ、次の一歩を整理してみてください。

まず、お子さんが今どんな状態で過ごしているかを確認します。

もしお子さんが自室のベッドから起き上がれず、昼夜逆転して部屋にこもっており、親との会話がほとんどない状態なら。今は無理に干渉せず休ませる時期ですが、「放置型」の対応になっていないかだけ振り返ってみてください。ドア越しに「ご飯置いておくね」と声をかけるなど、返事を求めない日常の挨拶や声かけから始めるのが最初の一歩です。

次に、お子さんがリビングに出てきて会話はできるけれど、表情が暗く元気がない場合。

この段階では、親御さんが「圧力型」や「感情型」の対応をしていないか確認しましょう。登校に関する話題や、勉強の遅れ、将来についての話を意識して減らしてみてください。そのうえで、学校とはまったく関係のない話題(好きなアイドルのこと、面白かったYouTubeの動画、今日の夕食のメニューなど)で、他愛のない会話の時間を増やすことを心がけるといいです。

お子さんが家の中では笑顔を見せ、比較的穏やかに過ごしているけれど、外へ動き出す気配がまったくない場合。

この段階に入ると、親御さんとしては「元気そうなのに、なぜ行かないの?」と一番焦りが出やすい時期です。ここで「過干渉型」の対応になっていないかを見直しましょう。親が先回りしてフリースクールの見学を取り付けたり、勉強のドリルを買ってきたりするのはぐっと堪えてください。日常の小さな選択(今日着る服、休日の過ごし方など)をすべて子ども自身に委ね、自分で決める練習をさせてあげてください。

いずれの段階であっても、親御さん自身が眠れなかったり、涙が出たりと、心身ともに疲れ切っている場合。

お子さんへの対応を工夫しようとする前に、何よりもまず、ご自身のケアを最優先にしてください。親の心がガス欠状態では、子どもに優しく関わる余裕など生まれるはずがありません。自分を責めず、自治体の相談窓口や、同じ経験をした親の会など、ご自身の苦しみを吐き出せる場所を一つでも見つけて頼ることをおすすめします。

よくある疑問に短くお答えします

不登校はいつまで続くのでしょうか

非常に多くの方が抱く不安ですが、明確な期間を誰かにお伝えすることはできません。数か月の休息で学校に戻るお子さんもいれば、数年単位の時間がかかるお子さんもいますし、別の道(通信制やフリースクール)を選ぶお子さんもいます。大切なのは「いつ終わるか(いつ再登校するか)」ではなく、「今、目の前の子どもが安心できているか」に目を向けることです。期間を区切って焦ろうとすると、それ自体が親子のプレッシャーになってしまいます。今日一日を無事に過ごせたことをよしとする、日々の積み重ねが大切です。

専門家に相談するタイミングの目安はありますか

「もう少し様子を見よう」「家庭内のことだから自分たちで解決しなければ」と思っているうちに、時間だけが過ぎて状況が固定化してしまうことは珍しくありません。目安としては、以下のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早めに第三者への相談を検討してください。

  • 子どもが食事をまったくとらない、極端に眠れていないなど、身体的な不調が明らかに出ている場合です
  • 子どもが「死にたい」「消えてしまいたい」「自分なんかいないほうがいい」などの言葉を繰り返し口にした場合です
  • 親御さん自身が精神的に限界を感じ、子どもにあたってしまいそうになる場合です
  • 不登校の状態が半年以上続き、親子の関わり方も膠着して状況がまったく変わらない場合です

相談先は、学校のスクールカウンセラー(学校に配置されている心理の専門家)、自治体の教育支援センターや児童相談所、医療機関の思春期外来などがあります。「専門家に相談する=子どもが重症である」というわけではありません。早い段階で客観的な視点を入れることで、親御さん自身の孤立を防ぎ、安心につなげることができます。

父親(配偶者)との意見が合わない場合はどうすればいいですか

不登校という予期せぬ事態に対して、夫婦で考え方が異なることは、ごく一般的なことです。一方が「もっと厳しく学校に行かせるべきだ」と主張し、もう一方が「今は無理させず見守ろう」と感じて対立するケースは少なくありません。

夫婦で意見が割れたとき、まず何よりも大切なのは「子どもの目の前で対立しないこと」です。親同士が自分のことで言い争っている姿を子どもが目にすると、「自分のせいで家族が壊れてしまう」と強烈な罪悪感を抱き、さらに心を閉ざしてしまいます。

意見が合わないときは、子どもが寝たあとや外出先など、子どものいない場所で静かに話し合いましょう。すぐに夫婦の意見を完全に一致させる必要はありません。ただ、少なくとも「今は無理やり登校を引っ張るようなことはしない」という最低限のルールだけでも共有できると、それだけで子どもにとっての家庭の安全度は大きく上がります。

まとめ

不登校の子どもに対して親がやってはいけない対応は、大きく4つの型
・学校に行かせようとする「圧力型」
・親の不安をぶつける「感情型」
・先回りして自立を阻む「過干渉型」
・関心を失う「放置型」
に分けられます。

お伝えしてきたように、どの型も根底にあるのは、親御さんが子どもを大切に思う愛情や、将来を案じる深い心配です。だからこそ、ご自身ではそれが子どもを傷つけていることに気づきにくく、知らず知らずのうちに繰り返してしまいやすいのです。

まずは、この記事で紹介した「振り返りの10項目」を使って、今の自分の何気ない声かけや態度を確かめてみてください。
そして、「3つの距離感」物理的な距離、心理的な距離、時間の距離を意識して、干渉しすぎず離れすぎない、少し余裕を持った関わり方へ調整していくことが大切です。

何度も繰り返しますが、親御さんが完璧である必要はまったくありません。「やってはいけない声かけ」を、今日から一つだけ我慢してみる。それだけでも、子どもが感じるプレッシャーは減り、家庭内の安心感は確実に増えていきます。

そして、お子さんの心のケアと同じくらい、いやそれ以上に大切なのは、親御さん自身の心のケアです。先が見えない不安のなかで子育てを続けることは、想像を絶するエネルギーを消費します。辛いときは決して一人で抱え込まず、専門機関や信頼できる人に相談して、頼れる場所を確保してください。親御さんの心が少し楽になって笑顔が増えれば、子どもとの関わり方にも自然と温かい余裕が生まれてきます。

焦らず、人と比べず、一歩ずつ。今日この記事を最後まで読んでくださり、子どものために何ができるかを真剣に考えてくださったこと自体が、お子さんにとっての何よりの救いであり、状況を良くするための大きな一歩です。

この記事を書いた人

齋藤 義晃 / 勉強プランナー

メッセージ:
不良でビリから2番目、偏差値30台。そこから独自で確立した勉強法で早稲田大学に合格。この経験を活かし、家庭教師として53人の生徒を第一志望校に合格に導き、在学中に「家庭教師のゴーイング」を設立。勉強が苦手な子専門として実績31年。今でも現場の中心に立ち17,000人以上の相談を解決。心理カウンセラーの資格を取得し、不登校・発達障害の生徒さんへのサポートにも力を入れています。

新着記事