不登校の子が登校前に腹痛を訴えるのはなぜ?正しい見極めと接し方

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お子さんが登校前に腹痛を訴える理由
子どもが登校前に体調不良になるのは、精神的な不調によることが大きいです。
親としては「学校に行って欲しい」と思うのが当然だとは思いますが、くれぐれもお子さんに登校を無理強いしないようにしてください。子どもはもう限界点に達しているので、身体にまで影響が出ているのです。
何が精神的な負担になっているかは、子どもによって様々ですが、主に以下のような原因が考えられます。
ストレスや不安
学校生活に不安を感じる子どもはたくさんいます。きっかけは子どもにより様々ですが、代表的な原因を紹介しておきます。
友達関係
・クラスになじめない
・いじめがある
勉強の遅れ
・授業についていけない
・テストや宿題に強いプレッシャーを感じている
先生との関係性
・先生と相性が悪い
・厳しく叱られたことへの恐怖心
このように、学校生活の中には子どもを不安にする要素であふれていると言っても過言ではありません。
「みんな一緒でしょ」と大人は思うかも知れませんが、ふとしたきっかけで一度、強い不安感や恐怖心を感じてしまうと、子どもはなかなかそれを払拭できません。
そんな場合、子どもはその恐怖心を親御さんに言葉で伝えることができず、「行きたくない」気持ちをと体調不良という形で表すことが多いのです。
また、真面目な子、正直な子ほど、ストレスが身体に反映されやすい側面があります。一生懸命物事に取り組む子ほど、不安な気持ちに身体が敏感に反映してしまうのです。
病気の可能性
胃腸炎や便秘、食物アレルギー、過敏性腸症候群(IBS)などの身体に不調が原因の場合もあります。
「どうやって見分けるの?」と不安になる親御さんも多いと思うので、簡単な診断方法を紹介しておきます。
・「平日の朝だけ具合が悪い」という場合は精神的なもの
・ 夜や土日などでも症状が出る場合は、病気の可能性が高い
学校がお休みの場合でも症状がでるのであれば、急いで病院へ行って医師の診断を受けましょう。
また、精神的なことが原因と考えられる場合も、一度は検査を受けておくと安心感を得られます。
不登校の子どもに見られる身体症状とは?
精神的な不安は、腹痛以外にも様々な形で身体に表れます。
代表的な症状を紹介しておきますので参考にしてください。
注意したいのは、決して仮病ではなく、子どもにしてみると、本当に身体の具合が悪くなっている、ということです。
ただでさえ不安な気持ちが症状となっているのに、ここで親御さんに「ホントなの?」 などと疑われると、不安な要素が増えてしまい、ますます具合が悪くなってしまいます。
腹痛
不登校の子が最も多く訴える身体症状が腹痛です。
学校がある日の朝、起きるとお腹が痛いので学校を休むのですが、昼過ぎには症状がなくなっていきます。
こういったことが続くので、親御さんから仮病を疑われ、学校を休ませてもらえないようなケースも出てきます。ですが、本人にとっては本当に痛い感覚があるので、決して仮病ではありません。
「学校に行きたくない」という精神的負担から起きる腹痛なので、その負担がなくなれば、治るのは当然のことなのです。
頭痛
不登校の身体症状で次に多いのが、頭痛です。
頭痛は「学校に行きたくない」「行ったらイヤなことが起こる」という精神的な緊張からくる「緊張型頭痛」が多くみられます。
これも朝、登校前に頭が痛くなるのですが、昼過ぎには治ってくる場合が多いです。
極度の低血圧や倦怠感
不登校の身体症状では、自律神経が乱れることによって起こる「起立性調節障害(OD)」が現れることもあります。
極度の低血圧や倦怠感を伴うことが多く、朝起きられない、立ち上がるとふらつく、強いだるさなどを感じ、動けなくなってしまいます。
症状が数値に出ないことがあるので、「怠け」と誤解されやすいのですが、子ども自身も身体の辛さに悩んでいます。
「過敏性腸症候群」で学校に行けない
一過性の腹痛では終わらず、過敏性腸症候群と診断される子どももいます。腹痛が長引いてなかなか治らない、長期に渡って具合が悪い場合は、過敏性腸症候群を疑ってみてください。
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群は、腸に異常が起こる病気全般を言います。
下痢や便秘が何日も続く、お腹が張ってゴロゴロするなど、異常な症状が出ているにも関わらず、検査をしても特に病巣は発見されません。
ひと昔前は20歳以上の疾患でしたが、最近では小学生に多く見られます。
過敏性腸症候群の診断基準
もしお子さんの腹痛が昼過ぎても治らない、一日中具合が悪い日が何日も続く場合は、すぐに病院へ行きましょう。
腹痛と過敏性腸症候群の違いは、以下で判断します。
腹痛が慢性的に3か月以上続く
長期的に便通異常が続く
排便によって腹痛が和らぐ
このような場合は、小児科や消化器科を受診するようにしてください。過敏性腸症候群は常に腹痛の心配があるので、学校生活に支障をきたすことが多く、お子さんが学校に行けなくなる大きな原因となります。
敏性腸症候群の原因はストレスが大きい
敏性腸症候群が発症する身体的な原因は解明されていません。今のところ、主な原因は精神的ストレスによって引き起こされることが大半とされています。
ストレスで腸になんらかの異常が起こり(運動異常、内臓の知覚過敏など)、それによって発症することが多いようです。
またなにか疾患にかかって回復後に、敏性腸症候群が発症することもあります。
しかし、やはり主な原因はストレスなので、「授業中にトイレに行きたくなったらどうしよう」という不安自体が症状を悪化させてしまう場合が多いです。
治療や対応方法
過敏性腸症候群の治療には、以下のようなことがあります。
薬物療法(整腸剤・便通改善薬など)
食生活や睡眠リズムの改善
薬物療法の場合はあくまでも腸に対しての対処療法となります。
精神的ストレスで発症しているケースが大半なのですから、運動習慣や心理的サポートが効果的な方法だと言えます。
腹痛を訴えているお子さんに親ができること3選
登校前に腹痛を訴えることの多い子どもに対しては、親御さんの対応がとても重要です。親御さんの対応次第で、精神的なプレッシャーが減ったり増えたりするので、対応を間違えないようにしてあげてください。
やってあげて欲しい3つの対応を紹介します。
お子さんの気持ちを受け止める
「また?」と否定せず、「痛いんだね」と、お子さんの今の状態を受け止めてあげましょう。
親御さんに優しく共感されると子どもは安心できますし、それによって落ち着き親御さんに優しく共感されると子どもは安心できます。また、落ち着きを取り戻すこともできます。
不安なことを聞いてみる(体調や学校について)
お子さんが「お腹がいたい」と言ったら、「今日はどんなことが不安?」「学校で何かイヤなことがあるのかな?」など、あくまでも優しい口調で聞き出してあげましょう。
毎日お子さんが腹痛を訴えるとしても、決して責めず、子どもが安心して話せるような対応を心がけてあげてください。
病院を受診する
「うちの子は精神的な何かが原因だろうな」と、親御さんが心因性の可能性が高いと思っていても、まずは医療機関を受診しましょう。
検査の結果、何も異常がないとわかればそれで安心ですし、万が一のことがある場合もあるので、素人判断は危険です。
小児科医では、精神的な不安で起こることを説明してくれることも多いです。どんな場合に起こりやすいかなど、医師の説明を納得のいくまで詳しく聞いてきましょう。それが安心感につながります。
もし、専門的な治療が必要なケースだったとしても、医療機関を受診しておけば、病気を早期に発見できます。
学校を休ませるか迷ったときの「チェックリスト」
お子さんの腹痛は長期に渡る場合があります。毎日のことですから、「こんな場合はどうしよう?」と毎回悩むのは、親御さんの大きな負担になります。
そこで我が家なりの「チェックリスト」を作っておき、学校を休ませるかどうかの判断の基準にすると、毎日がラクになります。
チャック項目の参考をあげておきますが、あくまでも参考程度で、「うちの子基準」のものをご家庭で作ってください。
熱はある?
強い腹痛や頭痛で動けない?
顔色が悪い?
食欲は?
子ども自身が強く「今日は無理」と訴えている?
これらを確認すれば「休ませてもいい基準」が一目でわかるようになります。
親御さんの負担を少しでも軽くすることで気持ちに余裕が生まれ、お子さんに優しく接してあげやすくなるので、ぜひ実践してみてください。
まとめ|不登校と腹痛は切っても切れない関係。正しい理解と対応を
不登校の子が毎朝腹痛を訴える場合、原因は精神的なストレスである場合が多いです。
毎朝のことなので親御さんとしては「怠けかな?」と思ってしまいがちですが、お子さんとしては本当にお腹が痛く、とても辛い状態であることを理解してあげましょう。
また他の原因として、過敏性腸症候群などの 病気の可能性もあるので、まずは医療機関を受診して、身体に異常がないことを確かめておくことが大切です。
不登校で腹痛を訴える子どもに、親御さんがしてあげられることは3つあります。
お子さんの気持ちを受け止めてあげること
体調や学校について不安なことを聞いてみる
医療機関を受診して身体に異常がないことを確かめる
「学校を休ませようかどうしよう」と悩むことが多いなら、我が家なりの「チェックリスト」を作っておき、判断の基準にすると、毎日がラクになります。親御さんの負担を少しでも減らすと気持ちに余裕ができるので、お子さんへの対応も優しくなれます。
この記事では、「不登校と腹痛の関係性」「親御さんの正しい対処方法」「学校を休ませる基準」など、お子さんへの対応で迷ったときに参考にできる項目を解説しています。ぜひご家庭での対応の参考にしてみてください。
親御さんの負担を少しでも減らして、お子さんと様々な不安を理解してあげられるようにしていきましょう。