家庭教師のゴーイング コラム 発達障害 注意欠陥/多動性障害ADHDの子の記憶能力をサポートするノート術!

ADHDの子の記憶能力をサポートするノート術!

この記事を書いた人

水巻 晃子 / 家庭教師のゴーイング サポート責任者

「うちの子ADHDだから記憶できなくて…」
「ノートを使えば覚えられるの?」
「効果的なノートの取り方を教えてほしい!」

こんなことでお悩みではありませんか?

ADHDの子は、一般的に記憶が苦手だと思っている親御さんは多いと思います。

でも実は、その記憶力というのは、感覚記憶から短期記憶に移行するのを苦手だと感じているだけなんです。

つまりADHDの子でも、その気になれば記憶力を向上させることは可能なんです!

…とは言え「そんなこと言っても、うちの子に暗記させるのすごく大変で、もう限界!!」って思いますよね。

そこで今日は、ADHDのお子さんの記憶力の特性について解説しながら、それを助けるノート術もあわせて解説します。



ADHDの記憶能力はノートで改善できる?

ADHDのお子さんの記憶能力が、ノートで改善できるってホントでしょうか?

この疑問を解決するために、以下の順番で解説していきます。

● ADHDの記憶力特性は短期記憶が苦手
● 長期記憶が苦手なことが報告されていない
● 認知症とADHDの記憶障害を混同することには要注意
● ADHDの記憶特性はノート活用で改善可能

それぞれ解説していきます。



ADHDの記憶力特性は短期記憶が苦手

ADHDの記憶力特性は、短期記憶が苦手だといわれています。

短期記憶とは、感覚記憶から脳が大事だと選択した記憶を、短期的に覚えておくことを指しています。

多くの方が短期記憶と長期記憶という言葉を聞いたことがあると思いますが、記憶のメカニズムは次のようになっています。

1. 感覚記憶
2. 短期記憶
3. 長期記憶

この順番で記憶が長期的に定着します。

そしてADHDのお子さんは、この中でも感覚記憶から短期記憶に移行するのが苦手に感じやすいということ。

目で見たり、肌で感じたりする一瞬は記憶できるのですが、その後数秒から数時間記憶を保持する短期記憶が難しいので、頼まれたことがすっぽりと記憶から抜け落ちてしまいます。

これが一般的に、ワーキングメモリーが弱いと言われている部分です。



長期記憶が苦手なことは報告されていない

感覚記憶から短期記憶への移行が難しいとなると、長期記憶が苦手ではないか?と思われるかもしれませんが、そのような報告はありません。

そもそも感覚記憶から短期記憶に移行できる絶対量が、一般のお子さんより少ないといった特性があるので、長期記憶が苦手と捉えることもあります。

しかし、しっかりと脳に定着できれば、短時間で処理しなければならない物事に苦手を抱えていても、長期間に渡って記憶を保持しなければならない勉強が苦手とは、必ずしも言えないのです。

もちろん大量の短期記憶を長期記憶に置き換えられるお子さんより効率は悪くなってしまいますが、長時間の勉強を続ければ、一般のお子さんと同等の知識を身につけることも可能です。



認知症とADHDの記憶障害を混同することには要注意!

ここまでADHDのお子さんの記憶力の特性について解説しましたが、良く混同されがちなのが、認知症の記憶障害です。

簡単に両者の違いを解説すると次の通りです。

ADHDの記憶障害:その瞬間は理解できても短期記憶に移行できず忘れてしまう

認知症の記憶障害:長期記憶が欠落してしまう

このように、絶対的な違いがある点に注意しましょう。

認知症とADHDの記憶障害には明確な違いがあり、ADHDには長期記憶を忘れるといった症状が起こることはありません。



ADHDの記憶特性はノート活用で改善可能

これらの記憶力の特性から、ADHDのお子さんはノートを活用すると改善が可能と言えます。

というのも、感覚記憶に苦手は認められないので、人からいわれたことで重要だと思うことはノートに記述しておけば、万が一忘れたときにもノートを見ればわかるからです。

もちろん「何が重要かを判断する訓練」は必要になりますが、日常のあらゆることにノートを活用すれば、今まで苦手だと感じていたことも、なんなくできるようになるでしょう。



ADHDのお子さんの記憶能力をサポートするノート術

ここまでADHDのお子さんがノートで記憶力を改善できるのかどうかについて解説してきましたが、結論としてできることがわかりました。

続いては記憶力を改善するために、どのようにノートを使っていけばいいかを解説します。

具体的には次の通りです。

● どこまで記憶できているかを確認する
● ノートに記憶できそうにないことを記録する
● 情報に対して時刻や日付の情報も付け加える
● 理解できるところまで必ず記述する

それぞれ解説していきます。



どこまで記憶できているかを確認する

お子さんがADHDの特性を持っていても、個々の記憶力の特性は異なってきます。

ですから、まずはお子さんがどこまで短期的に記憶できているかを確認していきましょう。

たとえば、「〇〇して」という『瞬時の指示なら記憶できるのか?』、「〇〇したあとに△△して」といった、『少し複雑な指示まで理解できるのか?』によって、ノートへの記述方法は変わってきます。

何事もまず、お子さんがどこまでできるかを判断するところからスタートしていきましょう。



ノートに記憶できそうにないことを記録する

ここまででお子さんが、『どの程度の指示や情報であれば理解でき、行動に移せるのか?』がわかってくると思います。

そのあとは、ノートに記憶できない指示が出されそうなときはメモすることを伝えていきます。

たとえば、先ほどの「〇〇したあとに△△して」といった指示の理解が難しいのであれば、まずは指示された事項を正確に筆記するところからスタートします。

もちろんすぐにすべてができる訳ではないので、日常生活や学校生活を通じて、失敗しながら経験を積んでいきましょう。

そしてワンポイントとして、【わからなければもう一度聞く】ことを徹底させましょう。

こうすることで、指示に見落としがなくなり、ミスすることも少なくなるはずです。



情報に対して時刻や日付の情報も付け加える

とはいえ、年次が進んでいくごとに、先生から指示される事項はどんどん複雑化していきます。

たとえば、次のような指示が出されるようになります。

「◯月◯日までに△△のプリントを出した人は、×月×日に◇◇に集合」

このような指示が、中学生頃から増えてきますよね。

日にちをまたいだ指示が増えてきたら、先ほどのノートに必ず日付の情報も付け加えていきましょう。

ここまで来ると一般のお子さんでも記憶が難しいですし、社会人になれば、当然、誰もがメモしていることなので、恥ずかしがらずに実践できます。



理解できるところまで必ず記述する

ここまで簡単に記憶力をサポートするノート術をお伝えしてきましたが、個々のお子さんによって記憶できる範囲は当然違いますし、言葉を理解できる範囲も違います。

そのため必ず、理解できるところまで記述することを徹底するようにしましょう。

何度もノートを開きメモを取るのは、小学生や中学生では恥ずかしいと思うかもしれません。

しかし社会人として一線で活躍する人は、必ず細かいところまでメモを取るようにしています。

ですから、社会人として自立できるスキルを、学生のうちから鍛えられるとポジティブ捉えて実践していきましょう。



ADHDのお子さんの勉強を助けるノート術

ここまでADHDのお子さんの記憶能力をサポートするノート術をお伝えしてきましたが、続いては勉強を助けるノート術をお伝えします。

具体的には次の通りです。

● タイトルを必ず書く
● 板書を丸写しするのではなく理解しながら書く
● 短期記憶が苦手でもメカニズムをフル活用する
● 一週間サイクルで学習を確実に行う

それぞれ解説していきます。



タイトルを必ず書く

ADHDのお子さんの勉強を助けるノート術の一つ目は、タイトルを必ず書くことです。

というのも、ADHDの特性を持っているお子さんは短期記憶が苦手で、どこに何が書いてあるのかを覚えておくのも苦手だからです。

そのため、一目見て「何がどこに書いてあるのか」を判断できるタイトルは、とても大切です。

タイトルを書き忘れると、いちいちノートの内容を見直さなければ勉強すべきかどうかの判断がつかないので、必ず書いておきましょう。



板書を丸写しするのではなく理解しながら書く

続いては板書を丸写しするのではなく、理解しながら書くことです。

ADHDのお子さんは短期記憶が苦手ですが、感覚記憶までが苦手ということは報告されていません。

たとえば、先生が『どのような口調で伝えていたのか?』や、『その時の教室の雰囲気』などもあわせて覚えておくと、エピソード記憶として定着しやすくなるでしょう。



短期記憶が苦手でもメカニズムをフル活用

たとえ短期記憶が苦手だとしても、記憶のメカニズムはフル活用していきましょう。

というのも、言われたことや書かれたことをそのまま覚えるよりも、手や耳・口を使って覚えた方が、効率的に記憶できるからです。

板書をそのまま覚えるのは非効率的であり、勉強できるお子さんほど感覚記憶の情報量が膨大です。

そのため、何をすると覚えやすいのかをお子さんと親子で一緒に探し、覚えやすい方法があればどんどん試して、自分に合ったやり方を見つけていきましょう。



1週間サイクルで復習を確実に行う

どれだけノートを丁寧に取ったとしても、感覚記憶を短期記憶に切り替えるのに役立つだけで、長期記憶に切り替えるためには1週間サイクルで復習を確実に行うことが重要です。

というのも、一般的なお子さんでも1日経過すると記憶の大半が失われ、1週間後にはほとんど記憶から抜け落ちてしまうからです。

そのため、学んだことはその日の夜か翌日までに一度復習し、1週間後にもういちど復習を行うようにしてください。



ADHDのお子さんはノートをとにかくフル活用する

ADHDの特性を抱えるお子さんは、記憶に関して苦手意識を感じていると思いますが、自らの特性と向き合い解消していくようにしましょう。

むしろその努力が功を奏して、一般的なお子さんよりもずっと勉強ができるお子さんに育つ可能性も高いです(その証拠に、アインシュタイン等の天才的な数学者はADHDです)。

ですから【苦手は伸び代!】とポジティブに捉えていきましょう。

『苦手があるからこそ人間は努力する』のですし、その結果、『努力したものだけ進化できる』という大原則があることを忘れないでください。

私たちのサイトでは、この他にも様々なお子さんの学習や学校生活に役立つ情報を取り扱っているので、興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

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