特性の活かし方

発達障害の子でも定期テストで簡単に点数アップできる勉強法は?

この記事を書いた人

弦巻 武久 / 発達障害コミュニケーション指導者

「テストのたびに点数が下がる」
「発達障害だから仕方ないのかな?」
「このままじゃ進学できないかも…」

発達障害の子は、理解の仕方がみんなと同じではないので、教科書の内容を理解するのに時間がかかってしまい、その結果、勉強が遅れがちになる場合が多いです。

とは言え、学校の定期テストは待ってくれませんし、テストの点数が悪いと内申にも響くので、やっぱりテストでは少しでも点数を取りたいですよね。

そこで今日は、発達障害の子でもカンタンに点数アップできる勉強法を解説していきます。

お子さんの勉強でお悩みなら、家庭教師のゴーイングの体験レッスンを受けてみませんか?

ゴーイングは、勉強が苦手なお子さんでも『わかる楽しさ』『やればできる』を実感し、短期間で成績アップに導く家庭教師です。
まずは、ゴーイングのホームページで他との違いを比べてみてくださいね。

発達障害の子は直感で分かる学び方が得意!

まずは、お子さんがどんな勉強のやり方が得意なのか、一緒に考えていきましょう。

人間は誰でもそうなのですが、目で見た方が理解しやすい子と、耳で聞いた方が分かりやすい子に分かれます(両方をバランスよく使う子もいます)。
お子さんの得意な方で勉強を進めるようにしてあげてください。

1. 目で見た方が理解しやすい場合

目で見た方が理解しやすい子に、いくら口で説明しても、勉強時間が長くなってしまうだけです。図やイラストを使うなど、一目でわかるものを用意してあげましょう。その他にも、学習を効果的に進めるための方法を紹介しておきますので、参考にしてください。

フラッシュカードの作成
重要なキーワードや式を書いたフラッシュカードを作り、視覚的な印象を強化します。表に質問やキーワード、裏にそれに対する答えを書いておくと勉強がはかどります。これを活用して繰り返し復習しましょう。

マインドマップの作成
理解すること、覚える事などを視覚的に整理するには、マインドマップが有効です。主要なトピックやサブトピック、関連性を結びつけて描くことで、全体像を把握しやすくなります。

色をつける
色分けやハイライトを使って重要な情報を強調します。例えば、キーワードや重要なポイントを明るい色でマーキングすると、視覚的な印象を強化することができます。

教材の可視化
学習する内容を体験できると、可視化もできるので理解が深まります。モデルや実物を見せる、具体的な例を身近なものに例えるなどの手法を使うで、抽象的な概念が具体的になります。

2. 耳で聞いた方が分かりやすい場合

耳で聞いた方が分かりやすい子には、図やイラストではなく、音声で理解できる環境を作ってあげましょう。学習を効果的に進めるための方法を紹介しておきますので、参考にしてください。

音声メモや録音
教科書やノートを読み上げ、録音しておくと、情報を聴いて覚えることができます。

口に出して復唱する
聞いた情報を口に出して言葉にすることで、記憶を強化します。テストで点数を取るには暗記が必須です。

音楽を流す
お気に入りの音楽をバックグラウンドに流すことで、学習時間をより楽しくし、集中力を高めます。

お子さんにぴったり合うやり方を見つけるには?

お子さんにピッタリ合った勉強のやり方を知ることは、勉強の効率を上げ、楽しく勉強に取り組むためにも重要です。やみくもに勉強を始める前に、お子さんと一緒にやり方を見つけていきましょう。以下からは、その方法を紹介していきます。

子どもの意見を聞く
お子さんと一緒にいろいろなやり方を試して、どの方法が合っているかを尋ねましょう。例えば、「この方法だと、どれくらい覚えられる?100点満点のうち何点くらい?」と聞くと分かりやすいでしょう。

いろいろな方法を試してみる
視覚的な方法と聴覚的な方法を組み合わせて試してみて、どちらが効果的かを見つけましょう。

親子で定期的に確認し合う
お子さんと一緒に進捗を確認し、どの学習方法が良かったかを共有し合いましょう。

このように、個々の子どもの学習スタイルに合わせてアプローチすることが、効果的な学習の鍵となります。

短期記憶と長期記憶、強いのはどっち?

先ほども書きましたが、テストで点数を取るには暗記が欠かせません。誤解を恐れずに言えば、暗記だけ頑張れば、平均点くらいは取れると言っても過言ではないのがテストです。

そこで、よりお子さんにとって効果的な暗記方法を見つけられるよう、記憶について解説し、暗記方法も紹介していきます。

短期記憶とは?

短期記憶は、短時間の間、情報を一時的に保持する能力のことを言います。
通常、短期記憶は数秒から1分程度の情報を保持することが可能です。

容量と限界
短期記憶の容量は限られており、通常は約7つの情報単位(ミラーナンバーとして知られることもあります)が保持できるとされています。
情報が新しい情報で上書きされるか、意識的に処理されない限り、短期記憶の情報は失われやすいです。

役割
短期記憶は、情報を一時的に保持し、それを処理するために使用されます。
また、長期記憶に情報を転送する際の中継的な役割を持っています。

長期記憶とは?

長期記憶は、より長い期間にわたって情報を保持する能力を言います。
情報が短期記憶を経て長期記憶に移動すると、より持続的な記憶が形成されていく訳です。

容量と種類
長期記憶には、日常生活の中の出来事、スキル、概念など、様々な種類の情報が含まれます。

持続性
長期記憶は通常、情報を永続的に保持する能力があります。一度形成された記憶は、時間の経過とともに失われることがまれにありますが、強化されることもあります。

役割
長期記憶は、学習や経験を通じて得られた知識やスキルを保持します。
常に短期記憶からの情報の転送や再活性化が行われているので、長期記憶はその個体(人間だけではなく脳を持つ動物すべてを含みます)の行動や意思決定に、大きな影響を与える役割があります。

このように短期記憶と長期記憶では、まったく違う性質を持っています。テストで点数を取るために必要なのは長期記憶ですが、いきなり長期記憶に知識が入る訳でもないので、暗記が苦手な子は「どこのポイントを押さえたら覚えられるか?」など、自分の得意なやり方に合わせて工夫する必要があります。

記憶のタイプによって変わる暗記法

短期記憶と長期記憶は、情報の取り扱いや保持の過程で役割が異なることがわかりましたよね。ここでは上記で紹介した暗記法を、短期記憶を使いたい場合、長期記憶を使いたい場合などに仕分けしておきます。お子さんのタイプに合わせて工夫していきましょう。

短期記憶は、主に視覚や聴覚など感覚的な情報を処理します。
長期記憶は、主に情報の意味や関連性を処理します。

目で見た方が覚えやすい子
短期記憶
視覚的な情報を用いたフラッシュカードや図表を活用して、短期記憶に情報を定着させます。

長期記憶
視覚的な手法を使用した情報整理やマインドマップ作成を通じて、情報を長期記憶に移行させます。

耳で聞いた方が理解しやすい子
短期記憶
口に出して情報を復唱することで、聴覚的な手法を使って短期記憶を強化します。

長期記憶
音声メモや録音を活用して、情報を長期的に覚えやすくします。

他子どものタイプ別
感覚的なことが得意な子
短期記憶
模型や具体的な教材を触りながら学ぶことで、感覚的に情報処理し、暗記することができます。

長期記憶
身体運動と結びつけた学習を通じて、情報を長期記憶に定着させます。

社交的な子
短期記憶
グループ学習や教えることで、他者とのコミュニケーションを通じて短期記憶を促進します。

長期記憶
グループ内で共有された情報や教えられた経験が、長期的な学習に役立ちます。

内向的な子
短期記憶
自己対話や問いかけによって、内気な子でも情報を短期記憶に蓄えることができます。

長期記憶
日記やメモの活用によって、情報を整理し、長期的な記憶に変換できるようにします。

感情の起伏が激しい子
短期記憶
感情的な結びつけを使って、情報を短期記憶に深く印象づけます。

長期記憶
物語やエモーショナルな要素を活用して、情報を感情的に結びつけ、長期記憶に留めます。

短期記憶と長期記憶の橋渡しをする際に、視覚的・聴覚的・感覚的な手法を組み合わせることが効果的です。異なる感覚を同時に刺激することで、情報の定着や効果的な学習が促進されます。

発達障害の子は見通しがつけばテストを攻略できる!

発達障害の子にありがちなのが、見通しがつかないと不安になってパニックになりやすいこと。ならば、それを逆手にとって、思いっきり見通しがつくテスト勉強計画表を作ってしまいましょう!

予定を立ててしまえば、あとはそれを実行するだけ。発達障害の子は意外と几帳面なところもあるので、計画を立てる部分を親御さんが手伝ってあげれば、ひとりでも机に向かえる子も多いです。これをきっかけに、テスト勉強の習慣を身につけてしまいましょう!

計画その1 まずはテスト範囲の復習と提出物の作成

一番初めは、テスト範囲のおさらいをします。また、提出物を出さないと減点の対象となってしまうので、忘れないようにしましょう。

復習のやり方
要点の確認
前回の授業や教材から重要な要点を振り返ります。

ノート整理
ノートや教科書を整理し、理解できていない部分や重要なポイントを特定します。

復習ノートの作成
簡潔で理解しやすいノートを作成し、復習時に活用します。

提出物の作成
課題の確認
提出物の期限や要件を確認しておきましょう。

計画を立てる
提出までのスケジュールを立て、進捗を管理できるようにします。

進捗報告と課題解決
途中で問題が生じた場合は、学校の先生や塾の先生などに相談し、一緒に解決策を見つけられるようにしましょう。

計画その2 テスト勉強は得意と苦手に分ける

得意科目と苦手科目を一緒にしないようにしましょう。なぜなら学習進度がまるで違ってくるからです。それぞれの勉強法を紹介します。
苦手科目の攻略法
弱点の特定
苦手な科目やトピックを洗い出し、具体的な弱点を明確にしましょう。

誰かに聞いてみる
学校の先生や塾の先生、友だちなどに分からないことを質問してみると、理解を深めるための補強になります。

反復練習
苦手な部分に重点を置き、反復練習を通じて理解度を向上させます。

得意科目の攻略法
自己評価を高める
得意な科目やトピックを確認し、自己評価を高め、自信をつけましょう。

応用問題を解く
得意な部分をベースに、応用問題や実践的な演習を通じ、習熟度を高めていきましょう。

友だちと協力する
得意な科目では、友だちと知識を共有していきましょう。より理解が深まります。

計画その3 やることが一目でわかる計画表を作る!

今日は何を勉強したらいいのか、一目でわかる計画表を作って目立つところに貼っておきましょう。勉強のやり方に迷わなくて済みますし、やる気も出ます。

計画の立て方
科目ごとの予定
科目ごとに予定を書き出しましょう。復習、提出物作成、苦手科目・得意科目の対応を落とし込んでいきます。

具体的なタスク
毎日の具体的なタスクをリストアップし、やるべきことが一目で分かるようにします。

勉強の進み具合をチェックする

進捗バーの導入
タスクごとに進捗バーを設け、進捗状況を可視化します。

定期的な振り返り
週または月の終わりに進捗を振り返り、計画が適切かどうかを確認し、必要に応じて調整します。

発達障害子に理解しやすい勉強法

色分けやアイコンの活用
視覚的なサポートとして、異なる科目や種類のタスクに色分けやアイコンを使います。

明確な指示と予定
シンプルで具体的な指示を用い、計画が分かりやすく、実行しやすいように工夫します。

これらの計画を組み合わせて、テスト範囲の復習と提出物を作成し、得意と苦手に分けて勉強を進めていきましょう。そして一目でわかる計画表を作成し、リビングなど目につきやすい場所にはっておくと、やる気を出すことができます。発達障害の子は個性が強いので、お子さんにピッタリ合ったやり方になるまで、親子で微調整していくことが大切です。

発達障害だからこそ、自分に合った学習スタイルを見つけよう!

このブログでは、発達障害の子でも定期テストで簡単に点数アップできる勉強法を解説しました。

発達障害の子は個性が強いので、やみくもに勉強していたのでは、時間ばかりかかって効率的ではありません。短時間で結果を出したいなら、お子さんの得意な方法を親御さんがよく見極め、また、お子さんと一緒にいろいろ試してみると、お子さんにピッタリあったやり方をカスタマイズすることができます。

目で見た方が分かりやすい子には、チャートや図表、フラッシュカードを活用し、一目見て理解が深まるようにしてあげましょう。

またテスト勉強には暗記が必須ですが、このタイプの子には、暗記もカードなどを使って練習すると覚えやすいです。

耳で聞いた方が理解しやすい子には、音声メモや録音を使って必要なことを覚えていくようにすると、勉強がはかどります。

またお子さんのタイプによっては、感覚で覚えたほうが知識を身に付きやすい子もいます。そんな場合は、模型や身体運動を活用して情報を取り入れるようにしましょう。

社交的な子は、グループ学習や他者に教えることで自分も覚える勉強法、内向的な子は日記やメモを使って勉強するなど、子どもによって様々なやり方があります。

さらに、見通しがつかないと不安になってしまう特性を利用し、思いっきり見通しのつく勉強計画を立ててしまうやり方もオススメです。

まずはテスト範囲を復習して、提出物を作成する。次は得意と苦手に分けて勉強を進めるやり方を考える。そして、これらを一目でわかる計画表にしてしまえば、あとは実践あるのみです。

このような工夫で、発達障害の子どもでも、自分に合った学習スタイルや暗記法を見つけることで、定期テストでの点数アップは可能です。
親子で一緒に様々な方法を試し、お子さんの学習体験を充実させていきましょう!

発達障害お役立ちBOOK

この資料でわかること

  • 発達障害の子を伸ばす教育とは?
  • 特性に合わせた具体的な教え方
  • よくある困りごとと対応例 など

発達障害の専門家が監修!お子さんをぐーんと伸ばす接し方を徹底解説

この一冊で、特性ごとの勉強の悩みがスッキリ解消!
教え方に困った時にスグに対応できる!

無料で受けとる
家庭教師のゴーイング発達障害ページバナー

アクセスランキング

ピックアップ