特性の活かし方

『WISC』(知能検査)を受けると何がわかるの?検査する4つのメリット

この記事を書いた人

弦巻 武久 / 発達障害コミュニケーション指導者

ここ20年間に発達障害児の数は約10倍に増え、可能性のある子はクラスに2、3人いると言われています。この背景には、発達障害というものが多くの人に認知されるようになったことが挙げられます。

こうした中で今注目されているのが、『WISC』(ウィスク)という知能検査です。

学校の先生などに「一度『WISC』を受けた方がいい」と言われ、

「『WISC』って、どういうものなの?」
「検査って聞くと、なんだか不安で…」
「どうして、『WISC』を受けた方がいいの?」

と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、『WISC』とはなにか、『WISC』で何がわかるのか、わかりやすくご説明しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

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『WISC』って、どういうものなの?

『WISC』とは、児童生徒用の知能検査のことです。

アメリカでの最新版は『WISC-V』なのですが、現在、日本で実施されているのは『WISC-IV』のようです(2019年5月現在)。

対象年齢は5歳0ヶ月から16歳11ヶ月までで、検査は個別で行われます。

 

検査内容は?

どういった検査かというと、絵を覚えて正しい順番に並べたり、いくつかの数字を覚えて答えたり、指示通りに積み木を並べたり、といったテストになります。

そのテストの結果から4つの能力の知能指数が出され、また全体の平均値が出ます。

『WISC』はこの数値を見ることで、お子さんの知的な発達について詳しい情報を知ることができる、というものなんです。

 

4つの能力と知能指数って?

お子さんのどんな能力がわかるのか、知能指数ってどんなことを表しているののかとても気になるところですが、ネットなどの資料では専門用語が多くてピンときませんよね。

そこで検査結果として出される単語と、その意味をわかりやすく解説します。

 

検査用語 意味
言語理解指標(VCI) 言葉をどれくらい使えるかの知能指数
知覚推理指標(PRI) 目で見たものをどのように使えるかの知能指数
ワーキングメモリー指標(WMI) 今取り入れた情報をどれくらい使えるかの知能指数
処理速度指標(PSI) 単純な作業をどれくらい正しくできるかの知能指数
全検査IQ(FSIQ) 各能力の平均値

 

また知能指数とは「実年齢と知能年齢の差」を表したものですが、最近では「同じ年齢の子ども達と比べた時、どのあたりにいるか」を現すことが多いようです。

 

『WISC』は、何のためにやるの?

ここからがお母さんが一番知りたいところだと思います。なぜ不安な気持ちを抱えながらも、『WISC』を受けた方がいいのでしょうか?

まず知っていただきたいことは、『WISC』でわかることは、お子さんは情報を出し入れする時どのように行っているか?だということです。

どういうことかと言うと、人間は誰でも、ものを理解するときに「聞くこと」「見ること」で情報を取り入れていくのですが、この2つの能力が均等に使われるのではありません。

自分の得意な方ばかりを使ったり、両方を使ったりと、人それぞれの個性で使い分けています。

この「聞くこと」と「見ること」のどちらがよく使われているのか、得意な能力はなにか、どんなことが苦手なのか、それを検査によって見つけ出すのが『WISC』です。

この一人ひとりの得意と苦手を測定できることが、『WISC』の大きな特徴といえます。

<得意なこと>
・目で見た情報を処理する

<最も得意なこと>
・単純なことをすばやくこなす

<苦手なこと>
・言葉を理解し、推論する
・聞いた情報を一時的におき、使っていく

※一番低い数値と高い数値の差からどんなことに困っているかが分かる。
 

『WISC』を受けることで、どんなメリットがあるの?

『WISC』を受け検査結果が返ってきてきても、これで終わりではありません。 一番大切なことは、その検査結果をお子さんのために、日常生活の中でどのように活かしていけるのか?ということ。

『WISC』を受けるメリットともいうべき点を4つご紹介します。

メリット① 子どもに合った学習方法を見つけられる

『WISC』の結果から、例えば言語理解が低い子には、口で説明していく指導よりも、教科書や図表などを目で確認しながら教える指導が有効なのではないかとわかります。

つまり『WISC』を受けることは、お子さんにぴったり合った学習方法を見つける近道と言えるでしょう。

 

メリット② 学習時間と理解しづらいストレスを減らす

子どもに合った指導方法を見つけることができれば、教える方も教えられる方も学習時間を大幅に短縮することができますよね。

しかも、どちらのストレスも減らすことができるんです。

学校など集団生活の中では、「みんなと同じように学習しても、みんなと同じようにできない」ことは、とても大きなストレスになってしまいます。

ですから自分にわかるように指導してもらえることは、「教えられてもわからない」というストレスが大幅に減ることになり、お子さんにとっては学習の楽しさを知るきっかけになるかもしれません。

 

メリット③ 教える方と教えられる方のギャップを埋める

また教える方は、何度説明してもわからないと「ちゃんと聞いてたの?」とキツイ口調になってしまったり、ちゃんと聞いているのに「もっと集中しなさい」と言ってしまったりと、子どもを誤解してしまうことが多くなってしまいます。

『WISC』で得意や苦手がわかれば、こうしたすれ違いを防ぎ、おだやかな雰囲気の中で学習を進めることができるようになるでしょう。

 

メリット④ 不本意な言葉で傷つけられてしまうことを防ぐ

自分の個性を理解してもらえず、他人からの言葉で傷つき、自信を失ってしまう子はたくさんいます。これは子どもにとってとても辛いことですし、またもったいないことでもあります。

ですのですれ違いをなくすことは、子どもを傷つけてしまう不本意な言葉を減らし、褒める指導をたくさん増やすことができる、とても大きなメリットと考えてください。

 

『WISC』を受けるときの料金

お子さんのための大切な検査と言っても、もし費用があまりにも高額だったら気軽に受けることができませんよね。でも『WISC』には保険が適用されるので、費用のことを深く考える必要はないようです。

ただし検査を受ける場所によって料金が変わってきますので、注意が必要です。
それぞれの料金は以下を参考にしてください。

総合病院など公的病院の場合
…保険診療できます。(1350円程度)

個人クリニックなど民間病院の場合
…自費での診療となり、費用がかかります。(1万~3万が目安)

教育センターの場合
…無料で検査が受けられますが、医療機関以外での検査になるので
医師による診断ができません

 

検査の結果は、楽しく生活を送るための環境作りに役立つ

『WISC』の結果は、お子さんに一番合った指導方法を見つける指針になるので、学校などの教育機関では『WISC』を勧めることが多いようです。

『WISC』を受けることに不安を感じている方は多いと思います。
ですが検査の結果は、お子さんがもっと楽しく生活を送れるよう、環境を整えるために役立ちます。

結果を最大限有効に使うにはどうしたらいいか、専門機関や学校の先生と考えてみてください。

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