反抗期がない子どもは大丈夫?心配すべきサインと親にできる対処法

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反抗期がない子どもって珍しいの?
そもそも反抗期とは?
反抗期とは、子どもが成長の過程で親や周囲の大人に対して強い自己主張を見せる時期のことです。お子さんが2才になった途端『イヤイヤ期』になって、「ああ、しんどい」と思いながら育児をした経験が、まだトラウマのようによみがえってくる方も多いのではないでしょうか?あれの、思春期版だと思うと、理解しやすいと思います。
「イヤ!」「なんで私がやらなきゃいけないの?」といった言葉が増え、基本的に天邪鬼になって親や大人のいう事をきかかくなってしまうので、衝突も起きやすくなります。
大変な時期ですが、親に依存していた子どもが「自分は自分」としての存在を確立していく大切な時期でもあり、自立への第一歩を踏み出した証でもあるので、喜ばしいことでもあるのです。
反抗期がない子の割合は?
とは言え、すべての子どもが同じように反抗するわけではありません。一般的には、多くの子どもが小学校高学年から中学生くらいにかけて反抗期を迎えると言われていますが、ある調査によると、約2〜3割の子どもが「目立った反抗期がなかった」と回答しています。
また、親の体感としても、「あれ、うちの子あんまり反抗期なかったな」という声も多いです。
統計からみても、反抗期がないこと自体は、特別に珍しいわけではないのです。
反抗期がない理由とは?
自己主張がうまくできない
もともと持って生まれた性格的に、自己主張が苦手だと、反抗心が芽生えてもそれを表現できず、心の中に溜め込んでしまうことがあります。表現できないだけなので、反抗心が芽生えてない訳ではありません。
親が怖くて反抗できない
また、親御さんに暴力がみられるような、不安定な状況にあると、当たり前ですが怖くて親には反抗出来ない場合もあります。このような状況で育つと、反抗期がない代わりに、『弱いものをイジメる』『人をだます』など、反社会的な行動で、己の人生の帳尻をあわせるようになります。
親との関係が良好すぎる
親子の関係が非常に良好で、普段から親と意見が一致していると、目立った反抗が見られないことがあります。
なにか意見が違う出来事があったとしても、親の裏の感情もわかるので「言わなくてもわかる」「わざわざ衝突する必要がない」と感じ、あえて強い主張をしないのです。
ただ、このように穏やかだからと言って何も不満がない訳でもないので、心の奥に不満が蓄積し、ある日爆発してしまうことがあります。
もともと穏やかな性格
生まれつき温厚で争いを好まない性格の子も、特に反抗期を向かえない場合があります。
このタイプの子どもは、もともと「誰かとぶつかること」が苦手なため、反抗するより、親に従った方が自分の好みの生き方なのです。無理に感情を表に出さず、穏やかに自分の道を模索し、コツコツと積み上げていく性格の子が多いです。
反抗期がない子どもは大丈夫?心配すべきサイン
前の項目で説明したように、反抗期がないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。
とは言え、すべての子どもに問題がない訳ではなく、親御さんが心配すべきパターンもあります。もし、お子さんに次のような様子が見られる場合は、親御さんが対応の仕方を変えてあげる必要があります。
お子さんの様子を思い浮かべながら読んでみてください。
感情を抑え込みすぎている
本来なら反抗期で発散されるはずの感情が内にこもったままなので、相当のストレスが蓄積されてしまいます。このような状況では、大人になってから抑えていた怒りや悲しみが爆発してしまうパターンが多いです。
親の顔色を気にしすぎている
「怒らせたくない」「嫌われたくない」と親の気持ちを優先しすぎると、自分の意見を持つことが難しくなります。前述しましたが、家庭内に暴力などがあると、親の気持ちを損ねたくないと思って育つので、自分の感情を殺してしまいます。
「いい子」でいようと無理をしている
常に期待に応えようと頑張りすぎると、心身が限界を迎え、燃え尽き症候群のような無気力状態に陥ってしまいます。
また、家庭内が不安定で、「親に捨てられるかも」という恐怖の中にいる場合も、いい子でいようと表面上だけは取り繕うようになります。
自分の感情に気づけていない
怒りや悲しみといった感情そのものに鈍感になり、自分が本当に何を感じているのか分からなくなってしまうこともあります。
これは、幼いころに「読み聞かせをしてもらっていない」「家に本や読書の習慣がない」家庭に多いパターンで、想像力の欠如から起こります。
この状態が続くと、人間関係や進路選択で迷いやすいです。
反抗期がないとどんなリスクがある?→社会に適応できない
反抗期を経験していないと、外の世界で理不尽なことに直面したとき、うまく立ち向かえず、代わりにこっそり悪い方法で自分の思い通りにするクセがついてしまいます。
自分の意見をストレートに伝えてもよい事は起こらないというのが、今までの経験で得た知恵なので、他者を信用できなくなります。
反抗期がない子どもに親ができる対処法
反抗期がない子どもには、親御さんがサポートして、安心して自分らしさを表現できるようにしてあげたいものですが…
反抗期がない状態にしたのも親御さんですので、相当の覚悟がいると思います。
ひとつだけ、強くお願いしたいことがあります。子どもは親の所有物ではありません。そのことだけでも理解して欲しいと思います。
もし、あなたがお子さんを健やかに育ててあげないと思えば、以下の方法を試してあげてください。
子どもの自己主張を受け止める
子どもが「今日は○○したい」と言ったときは、「そんなのダメ」と否定せず、「そうなんだね」と、まず受け止めてあげてください。自己主張を認めてもらえる経験を積めば、「自分の意見を言っても大丈夫」と思えるようになります。
感情を出すことを肯定する
怒る、泣く、嫌がるといった感情表現を、叱ったり否定したりせず、「気持ちを出すのは大切なことだよ」と伝えましょう。また、それによって周囲の大人が気分を害することはないことも伝えてあげるべきです。
親自身も感情表現を心がける
親が「今日は疲れた」「悲しい気持ちになった」など、素直に感情を表現する姿を見せることで、子どもも安心して自分を出せるようになります。ただし、感情にあわせて家族に当たり散らすような真似は、絶対にだめです。
失敗を恐れない姿勢を見せる
親が「失敗しても大丈夫」という姿勢を見せてあげると、子どももチャレンジや自己主張を怖がらずにできるようになります。
反抗期がない子どもは大抵の場合、失敗を笑われて育った経験があります。
子どもに小さな選択をさせる
「今日のおやつはどっちがいい?」「休日はどこに行きたい?」など、簡単な選択肢を与えてみましょう。自分が選んだ結果が尊重される経験を積めば、自分で考える力と自信が育まれます。
共感を重ねる会話を意識する
アドバイスよりも、まず「そうだったんだね」「そう思ったんだね」と共感することを意識しましょう。親に共感してもらえると、子どもは自分を大切に思えるようになります。
反抗期のない子どもは、共感どころか、「話を聞いてもらえない」「通知表もみてくれない」など、ネグレストされていた場合が多くあります。そんな親御さんは多くないと信じたいですが、もし心当たりがある方は話だけでも聞いてあげるようにしてください。表面上だけでもよいので(本当はよくないですが)。
反抗期がない子どもにも「心の声」がある
反抗期がない子どもは一見、手がかからず「育てやすい」と思われがちです。でもその裏には感情を押し殺して泣く、捨てられる怖さから親に遠慮して本音を言えずストレスを溜めているなど、心の葛藤を抱えていることが多いです。
子どもには食事を与えていれば、とりあえず身体は成長しているように見えるので、それでよいと思ってしまう親御さんもいますが、心を育てることはできないことに気が付いてあげて欲しいです。
ですから、もし今あたなのお子さんが「いい子すぎる」と感じているなら、それは黄色信号かもしれないのです。
どうか、「何を感じているのかな?」「本当はどうしたいのかな?」と、子どもの心を感じる練習から始めてみてください。そして、お子さんが遠慮せず親御さんに本音を言える関係性を築いていきましょう。
それは、反抗期があるなしに関係なく、お子さんの自立や自己肯定感にとって、何より大切な土台となり、お子さんの健やかな成長を支えてくれるはずです。