親の過干渉が子どもを不登校にするってホント？親のタイプを解説

子どもは親に影響されます。小さな頃は親御さんが与えてくれた世界にしか住めないのですから当然です。

少し耳が痛い話かもしれませんが、親が与えた世界観の結果は良い方向ばかりに向きません。
特に、親に過干渉で育てられてしまうと、不登校になりやすいと言われています。

そこで今日は、親の過干渉が子どもをどのようにしてしまうか、また、いろんなタイプの親御さんの影響や子どもが受ける影響について解説していきます。

子どもにマイナスな結果を生みやすい親のタイプ

親の特徴と、それが子どもに与えてしまうマイナス面について説明します。

過干渉タイプ
過保護タイプ
心配性タイプ
管理タイプ
放任タイプ（過干渉とは真逆だが子どもへのマイナスな影響が大きい）

過干渉タイプ

過干渉な親は、子どもの生活のほとんどすべてをコントロールしようとし、子どもの代わりに問題を解決しようとします。
子どもが自分で解決すべき困難や問題について、親がすべてを解決し、子どもに解決の指示を与えてしまいます。

また、このタイプの親は、子どもに高い期待を抱き、成功することを要求します。これによって、子どもは常に緊張感を高めた状態で生活し、プレッシャーやストレスでヘトヘトに疲れてしまいます。

子どもに与えるマイナス面

子どもは自己主張力や問題解決能力が低くなり、将来的にも親に依存しながら生活するようになる可能性があります。なぜなら過干渉な親に依存することが子どもにとって安全で簡単な方法になってしまうからです。
これが続くと、子どもは親に過度に依存し、独立心が育たない可能性があります。

また自己肯定感が低下することがあります。
過度な期待とプレッシャーが子どもにかかると、自己肯定感は低下してしまいます。なぜなら、常に高い目標値を与えられてしまうので、達成感が味わえないからです。その結果、自分に自信を持って行動することが怖くなってしまいます。

過干渉な育児は、親が子どもの成長と発達を支援するつもりで行動しているにも関わらず、逆効果な現象が起こります。親と子どもの間でバランスを取り、子ども独自の経験と自己発見を尊重することが大切です。

過保護タイプ

過保護な親は、子どもを危険から遠ざけようとして、リスクを冒すことを許しません。身体的な危険だけでなく、感情的な苦痛や失敗からも子どもを遠ざけてしまいます。

また、子どもの問題や課題に介入し、解決策を提供しようとします。この介入によって、子どもは自分で問題に立ち向かう機会を奪われてしまいます。

子どもに与えるマイナス面

過保護な親の育児の結果、子どもは新しいことに挑戦する冒険心を失くしてしまいます。さらに、新しい経験やチャンスを恐れるようになります。

また子どもは自己成長と自己発見を放棄してしまい、将来的にも成熟できなくなってしまいます。

過保護な育児は、親の意図が子どもを守ることであるにもかかわらず、子どもの発育に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、子どもは冒険心が欠如してしまうので、他人との関係を構築できなくなってしまいます。

心配性タイプ

心配性な親は、子どもの安全と幸福について、常に不安に感じ、小さなことから大きなことまで心配しやすい傾向があります。例えば、子どもが自分で何かをしようとしても、過度な保護を行い、リスクを避けようとします。

また、子どもの行動や行動をひたすら監視し、常に関心を持ちます。これは、子どもが友達と遊ぶときや学業に関しても当てはまります。

子どもに与えるマイナス面

心配と保護によって、子どもは自分自身に対する信頼心を低下させる可能性があります。子どもは新しい経験や冒険に臆してしまうようになり、自分の気持ちを表現することさえ勇気がいるようになります。

また心配と監視が子どもに対して過剰なプレッシャーをかけるので、友情や他の対人関係を構築できない可能性があります。

親の心配性は、子どもを守りたいという願望から生まれるものであることが多いのですが、子どもにとっては成長と発展の機会を奪われることになります。

管理タイプ

管理的な親は、家庭内での規則と安定を勝手に設定し、子どもに対して、何をすべきか、何をしてはいけないかを常に指導します。生活を厳しく管理し、規則を厳守させることに情熱を注ぎます。

規則を守るかどうかに応じて、報酬と罰を用いることもあります。これは、子どもが規則を守る動機づけとして機能します。

子どもに与えるマイナス面

管理的な育児スタイルに対抗して、子どもは成長するにしたがい、反抗的な態度を示すようになります。そのため、親と子どもの間に摩擦が起こり、関係が緊張しやすくなります。子どもは親の過度なコントロールに反発し、信頼関係が崩れる場合があります。

また子どもは自分の選択や意見を表現する機会を奪われてしまうので、自己決定能力が低下する可能性があります。

管理し過ぎる育児は、親が子どもを守る、規律を教える意図から生まれることが多いですが、家庭内の緊張感とコントロールによって、子どもは、自分が何をしたらいいのか考えられなくなります。

放任タイプ

放任タイプの親は、子どもの行動や活動に対してほとんど干渉しません。子どもに自由を与え、何もかも好きにさせてしまいます。その結果、子どもはマナーや礼儀はもちろんですが、何が正義で何がいけないことかの区別もつかなくなります。
また自己制御能力が低下し、責任感が不足する可能性があります。

放任されているので、子どもは愛されていないと感じ、強い承認欲求を持つようになり、倫理観に欠けた自己主張ばかりを繰り返すようになります。これらのことを子どもは決して親の前ではやらず、他者や社会に向かってやるようになります。

子どもに与えるマイナス面

子どもは自分の活動がすべて放任されるため、社交的スキルの発達に問題がある場合があります。他の子どもとの関係構築や協力ができず、例えば友だちにアイスを買ってあげることで他者を操れることを学んでしまいます。

何をしても何も言われず制御もされないので、自己制御能力が発育せず、子どもは責任感を持つことができなくなってしまいます。大人になっても重要な仕事に対し、責任の義務能力を持ちません。

さらに、良いこと悪いことの区別がつかなくなり、犯罪に手を染めても「バレなければ大丈夫」と思い込むようになります。自ら行動するのは、犯罪を隠す場合にのみになります。

親が子どもに与えてしまった大きな影響

親の育児スタイルは、子どもの発展と将来の成長に大きな影響を与えます。親御さんがよかれと思ってしたことでも、子どもに悪影響を与える場合は多いです。以下の悪影響について解説します。

コミュニケーションが取れなくなる
自立できなくなる
退行現象で成長を止める
嘘や言い訳、犯罪を平気で行う
愛情不足から強い承認要求を持つ

コミュニケーションが取れなくなる

親がコミュニケーションを十分にとらないか、子どもに対して厳しい管理や制限的なコミュニケーションスタイルを取っていると、子どもはコミュニケーションの重要性やスキルを学べない可能性があります。

また、他人との関係を築くための能力や自己表現が足りずに、孤独感を抱く場合があります。

コミュニケーションの不足は、結果として子どもが感情や意見を正しく表現できないことにつながり、将来的に人間関係や職場で課題を抱えてしまう可能性があります。

自立できなくなる

親が子どもに対して過度に依存的で、独立した行動や意思決定の機会を与えられない場合、子どもは自立でききなくなる可能性があります。

自立できない子どもは、大人になっても自立できず、日常生活や職業における責任感や決断力が欠如します。

これによって、子どもは将来も親に依存関係を求め、経済的な困難に直面するリスクが考えられます。

退行現象で成長を止める

親が子どもに正しいサポートを提供せず、ストレスやトラウマを与え、自分で物事を対処できる能力を育てなかった場合、子どもは退行現象に直面する可能性があります。

つまり、いつまでたっても自分では何も行動できない、子どものまま大人になってしまいます。退行現象によって子どもは成長と発展を放棄し、心理問題やストレスを抱えて生活することになります。

嘘や言い訳、犯罪を平気で行う

親が子どもに対して正しい適切な教育や倫理観を提供せず、ルールや規律を尊重させなかった場合、子どもは社会的な規範を守る能力を欠き、自己を調整する能力を育てることができなくなってしまいます。

自分を制御できなくなった結果、子どもは嘘をついたり、責任を免れたり、非倫理的行動に対して抵抗力が低くなる可能性があり、犯罪行為を犯す可能性が非常に高くなります。

親の教育が賢明な指針を示さないので、子どもは『行動の正義とは、自分の欲を満たすためにある』と思い込んで大人になります。

愛情不足による強い承認要求

愛情不足は、子どもが親から適切なサポートや愛情を受けられなかったり、十分な愛情を感じなかったりする状態です。これは親の無関心、忙しさ、感情的な暴力、離婚などによって生じることがあります。

子どもは家庭内に安全を感じず、不安や孤独感、自尊心の低下、問題行動などを起こすようになります。

そして、大人になってからも強い承認欲求によって、自己価値を他人からの肯定評価に求めるようになります。

このようになってしまうと自己価値は他人の意見に左右されてしまうので、否定されると激高するようになり、他者からのアドバイスさえ、自分を否定されたと怒るようになります。

親がとるべき行動

ここまでお読みになり、少しでも「もしかしたら…」と感じたら、親御さんは行動を改めるチャンスです。親がとるべき行動について簡単に説明します。

コミュニケーションを重視する

子どもと定期的にコミュニケーションをとり、感情や考えを共有しましょう。
子どもの話に耳を傾け、感情を尊重してあげしましょう。

自立を促進する

子どもに正しい責任と自己決定権を与え、成長を見守るようにしましょう。
失敗や課題に自分で対処する機会を与え、自己肯定感を育む手助けをしましょう。

安定感と安心感を提供

子どもがストレスやトラウマに耐えている場合、専門家のサポートを受けましょう。
安定感と安心感を提供し、子どもが安心して成長できる環境を整えましょう。

倫理観を教育する

正しい正義の教育を提供し、ルールを尊重し、責任感を育てましょう。子どもに他人を尊重する姿を見せましょう。子どもは親の後ろ姿を見て成長しますから、親御さんが卑怯な真似をすれば、子どもはそれが正しいと思い込みます。

子どもの存在や行動を認める

子どもに愛情とサポートを与え、家庭内の安全を提供しましょう。子どもの存在を認め、小さなことでも褒めてあげましょう。

親は子どもの発展と幸福において非常に重要な役割を果たします。正しいバランスのもとで子どもを育て、愛情、サポート、自己評価を提供し、自立と発展を促進することが大切ですまた、子どもの感情を尊重し、コミュニケーションを取って子どもとの関係を強化しましょう。

まとめ

親の育児スタイルは、子どもの発達にとても重要な要素です。過干渉、過保護、心配性、管理的、放任的なスタイルが、子どもに悪い影響をもたらすことがあります。

過干渉、過保護、心配性、管理的は、子どもの為を思っての行動ですが、やり過ぎると子どもは良い方向へ向かいません。また真逆の放任タイプは、親も子どもも気が付かないうちに、人生を破滅の方向へ向かわせてしまいます。

これらの影響を避け、子どもが健康的に成長するために、親は以下の行動を取りましょう。

コミュニケーションを重視し、自立の機会を与え、安定感と安心感を提供し、倫理観を教育しましょう。そして、子どもの存在や行動を認めて、褒めて育てると自己肯定感を高めることができます。

親の役割は子どもの健康な発展と幸福に直接関わっており、適切な育児スタイルとサポートを提供するべきです。そうすれば子どもは安心感を覚え、自己成長と自己実現の道を進むことができますます。