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発達障害の子が宿題しない本当の理由とやる気を引き出す声かけの工夫

お子さんの成績に不安を感じていませんか?

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■「宿題しなさい」では動かない…は、親の関わり方で変わる!?

「何度言っても、宿題をやらない…」
「先に宿題でしょ!って、今日も言っちゃった…」
「怒らないようにしたいけど、毎日イライラしてしまう…」

つい強い口調になってしまい、あとで自己嫌悪…。でも、子どもはますます反発したり、逃げたりしてしまう。
――そんな繰り返しでヘトヘトになっていませんか?

発達障害のあるお子さんは、「やりたくない」のではなく、 『うまく取りかかれない理由』  を抱えていることがあります。

その理由とは、“やる気”や“性格”ではなく、ちょっとした困りごとやつまずき。

そこで今日は、宿題しない発達障害の子に向けて、 親御さんが家庭でできる「やる気を引き出す工夫」 を解説していきます。

■まずは“やれない理由”に気づいてみよう

「どうしてこんなに宿題に取りかかれないの?」
そんなときは、一度だけ視点を変えてみましょう。

発達障害のある子どもは、大人から見ると理解しにくい形でつまずいていることがあります。
実際によくある“やれない原因”を4つ紹介しておきます。

① やることが多くて混乱している

• 漢字プリント2枚
• 計算ドリルの残り
• 音読
• ノートまとめ

このように、一度に複数の宿題を出されたとき、子どもは「全部やらなきゃ」「どれからやるの?」と頭がいっぱいになり、最初の一歩を踏み出せず、固まってしまうことがあります。

これは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHDの傾向がある子に多く、
脳の中でタスクを整理したり、順序立てたりするのが苦手なために起きやすい反応です。

◆親御さんが気付くには?

「プリントを渡した途端に無言になった」
「“早くやって”と言ったら泣き出した」
このような様子が見られたら、混乱して動けなくなっている可能性が高いです。

② 集中力が続かない・すぐ気が逸れる

机に向かっていても、数分後には、

• テレビの音に気を取られる
• 座っているのが辛くて動き出す
• 机の上の消しゴムで遊び始める

こんな姿が見られることがあります。
これは、本人のやる気や努力の問題ではなく、脳の“注意をコントロールする力”が弱いことが原因です。

特にADHD傾向のある子は、集中する力を「長く保ち続ける」ことが難しく、本人も「気づいたら違うことをしていた…」という状態になりがち。

◆親御さんが気付くには?

「やる気はありそうなのに、続かない」
「気づくとイスから降りてしまっている」
そんなときは、“注意の切り替えが難しい”状態を疑ってみてください。

③ 学校でエネルギーを使い切っている

「学校から帰ると、ぐったりして動けない」
発達障害に子は、そんな場合が少なくありません。

発達障害があると、

• 集団に合わせる
• 空気を読む
• 失敗しないよう頑張る

といったことに非常に大きなエネルギーを使っています。

表面上は普通に見えても、実は常に緊張状態で過ごしているので、帰宅後は「何もしたくない」「とにかく横になりたい」とエネルギー切れになってしまいます。

◆親御さんが気付くには?

「帰宅してすぐソファに倒れこむ」
「ボーッとしていて声をかけても反応が鈍い」
このようなことが多くみられるなら、“エネルギー切れ”のサインかもしれません。

④ 過去の失敗から「宿題=イヤなもの」になっている

• 「また間違えたらどうしよう」
• 「うまく書けなかったら怒られる」
• 「友達より時間がかかるのが恥ずかしい」

こうした思いが積み重なると、宿題に対して 『怖い・恥ずかしい・面倒』 というネガティブな気持ちを持ってしまいます。
特に、

• LD(学習障害)によって特定の分野が極端に苦手な子
• 完璧を求めるASD傾向の子

には、過去の失敗体験が“トラウマ”のようになっているケースも少なくありません。

◆親御さんが気付くには?

「宿題の話になると無言になる」「“できないからやらない”と言う」など、宿題を避けるような反応があれば、過去の経験が影響している可能性が高いです。

●子どもは、「やれない理由」を言葉で説明できないこともある

ここまで紹介した背景は、どれも子ども自身がうまく言葉にできないことが多いもの。
だからこそ、親御さんは「叱る」のではなく、 子どもの様子をよく観察して“理由に気づいてあげる” ことがサポートの第一歩になります。

■子どもの“やる気”を引き出す!家庭でできる5つのサポート法

発達障害の子に限らず、何度、「宿題しなさい」と言っても、どうしても机に座ってくれない子どもは多いです。
そんなときは、「やらせよう」とするのではなく、“やってみようかな”と思える工夫を試してみてください。

子どもの宿題に悪戦苦闘する親御さんに向けて、今日からすぐに始められる家庭でのサポート法を5つご紹介します。どれも、特別な道具はいりません。今日からさっそく試してみて、お子さんにピッタリ合うやり方を見つけていきましょう。

① 「やること」を見える化してあげる

頭の中で「あとどれくらいやるのか分からない」と不安になり、手が止まってしまう子は多いです。
目で見えるように整理するだけで、安心して取りかかれるようになります。

今日からできるポイント
• A4用紙に「宿題リスト」を手書きでつくる
例:「□ 漢字プリント」「□ ドリル1ページ」「□ 音読」
• 終わったらシールを貼ったり、赤ペンでチェックを入れる
• 順番を決めて「①これ ②次はこれね」とホワイトボードや付箋で見せる

ポイントは、「全部じゃなくて、ひとつずつ」で見せること!

② 「10分だけやってみよう」の声かけ

「最初の一歩」がなかなか踏み出せない子には、ハードルを思いきり下げるのがコツ。
“ちょっとだけやってみよう”という声かけが、やる気のスイッチになります。

今日からできる声かけ例
• 「10分だけ一緒にやってみよう」
• 「1問だけでもいいからやってみようか」
• 「3分やったら、お茶にしよう!」

いきなり全部やらせようとせず、「ちょっとだけ」「10分だけ」でOK。
「できた!」「やれた!」という体験が、次のやる気を引き出します。

③ 一緒にやってみる・並んで座る

「一人でやってきて」と言われると、心細くて手が止まる子もいます。
親が近くにいるだけで、安心して集中できる空間になります。

今日からできる工夫
• 親も一緒に机に座って、読書やメモなど“静かな作業”をする
• 「じゃあ一緒によーいドンで始めよう」とスタートを合わせる
• 子どもが無言でも、ただ隣に座っているだけでOK

宿題を「一人でやるもの」から「誰かと一緒にやれるもの」へ変換してしまいましょう!
親御さんの静かな寄り添いが、お子さんの心を落ち着かせてくれます。

④ 選択肢を与えて、自主性を引き出す

“自分で選んだこと”には、人は自然と責任感をもつものです。
選ばせることで、「やらされる」から「自分でやる」に切り替えることができます。

今日からできる質問例
• 「ドリルと漢字、どっちからやる?」
• 「ダイニングとリビング、どっちのほうが集中できそう?」
• 「鉛筆とシャーペン、どっちで書きたい?」

小さな選択肢でも「自分で決めた」感覚をもつことが、やる気アップにつながります。

⑤ 「できた!」をしっかり認めてあげる

「1ページやってない」「全部終わってない」より、
“取り組んだ”こと、そのものを認める声かけが、次の意欲につながります。

今日から使えるほめ言葉
• 「1問できたね! いいスタートだよ」
• 「今日は10分、集中できたね!」
• 「難しいところもがんばってたね。えらいよ」

大事なのは“結果よりも過程”。
「できた!」という感覚が増えるほど、子どもの自信が育っていきます。

■NG声かけ・OK声かけ|言い換えでやる気アップ

親御さんの声かけひとつで、子どものやる気は大きく変わります。
つい言ってしまいがちな言葉も、少し言い換えてあげれば、「安心」と「やる気」を引き出す言葉になります。

よくあるNGな声かけと、今日からできるOKな声かけを紹介しておきます。

「早くやって!」

→「10分だけ一緒にやってみようか」
→「今ちょっとだけ始めてみよう」

「なんでできないの?」

→「どこがわかりづらかったかな?一緒に考えよう」
→「ここはちょっと難しいね。どうしようか?」

「またサボってるの?」

→「疲れてるのかな? 今日は少し軽めにしようか」
→「休憩してから取りかかろうか」

「そんなの簡単でしょ?」

→「ちょっと工夫がいるところだね、一緒にやってみよう」
→「ゆっくりでいいよ、焦らなくて大丈夫」

「はやく終わらせなさい」

→「ここまでできたら休憩しよう」
→「10分タイマーでチャレンジしてみる?」

「なんでまだやってないの?」

→「今から一緒に始めようか」
→「まず何からやってみようか?」

「ちゃんとしなさい」

→「ここをこうするともっとやりやすいかも」
→「うまくいく方法を一緒に考えよう」

「できてないよ」

→「ここまで頑張ったね。あとちょっとだね!」
→「この部分、よく見てやれたね」

「全部やらなきゃダメ」

→「まず1枚だけやってみよう」
→「今日はここまででOKにしようか」

声かけの工夫だけでも、子どもは「責められている」から「見守られている」と感じることができます。
今日から意識して、お子さんへの声掛けの言葉を変えてみてください。

■「全部やらせなきゃ」じゃなくていい。親御さんの力の抜き方

宿題の目的は「全部やらせること」ではなく、学びの習慣や前向きな気持ちを育てること。

「やらせなきゃ」
「叱らなきゃ」
「ちゃんとさせなきゃ」

…そう思っていると、親御さん自身がどんどん疲れてしまいます。

• 今日はできたところまででOK
• 今日は疲れているから、おやすみにしよう
• 明日また、ちょっとだけがんばってみよう

こんなふうに、『柔軟にやっていく姿勢』が、何より大事です。親子でいつも笑顔でいられるよう、ところどころ力を抜いていきましょう。
取り組みがどんなに短時間でも、ワーク1問だったとしても、継続することがお子さんのチカラになっていきます。

■「できる形」を見つけて、親子でゆっくり進んでいきましょう。

発達障害のあるお子さんが宿題に向き合えないのは、「やる気がない」わけではなく、「どうやってやればいいのか分からない」「気持ちがついてこない」から。
だからこそ、親の関わり方ひとつで、“やってみようかな”という気持ちが芽生えていくものなんです。

「全部できなくてもいい」
「今日できたことを認めてあげよう」
「うちの子に合ったやり方を探そう」

そう思って関わってあげれば、親御さんもお子さんも、少しずつ前に進めます。
少しでもラクで、前向きな気持ちで宿題に取り組んでいきましょう。

この記事を書いた人

大森 公平 / 家庭教師のゴーイング 不登校サポーター

メッセージ:
小学校時代、いじめや人間関係の悩みから不登校を経験。学校に行けなくなり、自分に自信をなくした時期もあったが、勉強を通じて少しずつ自分を取り戻していった。そんな経験から、不登校で悩む子どもたちに寄り添い、安心できる環境を提供することに力を入れている。一人ひとりの状況に合わせた指導で、学ぶ楽しさや自信を取り戻す手助けを行っている。

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