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不登校の本当の原因はHSC?ひといちばい敏感な子に必要なサポート

不登校の子どもの数は年々増加しています。文部科学省が公表した令和5年度の調査によると、

小・中学生は、約34万6千人で、11年連続で増加していて、
高校生は約6万9千人で、過去最多となっています。

「うちの子がどうして?」と親御さんが不登校についてネットなどで調べていくと、原因のひとつに、

HSC(Highly Sensitive Child)

という現象にたどり着いた方も多いと思います。

HSCとは、音・におい・人の感情などに敏感で、まわりの刺激を強く受けやすい「ひといちばい敏感な子」のこと。

そこでこの記事では、HSCの特徴や不登校との関係、そして親御さんができるサポートについて解説していきます。

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HSCとは?

繊細で敏感な子どもの特徴
HSC(Highly Sensitive Child)とは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、「生まれつき敏感な気質を持った子ども」のことを指します。
HSCは性格や育て方ではなく、生まれつきの「気質」です。

HSCの子に見られる特徴

音・光・においなどの刺激に敏感
人の表情や声のトーンを敏感に察知する
他人の気持ちに深く共感しやすい
細かいことに気づく、観察力がある
初めての場所や変化が苦手
真面目でがんばり屋、でも疲れやすい

これらの特徴をもつ子どもは、集団生活で無理をしすぎる、周囲に気を遣いすぎる等が原因で心が疲れてしまうことがあります。

不登校の本当の原因はHSCかも? HSCチェックリスト

不登校の原因は当事者である子ども自身も分かってないことが多く、不登校の状態が落ちつき、気持ちの整理ができるようになっても特定できないケースがあります。

お子さんにもしHSCの傾向が強ければ、どんなに探っても特定の原因は出てこない場合も多いです。
そこで、HSCの傾向があるかどうかを知るためのチェックリストを用意しました。お子さんを思い浮かべながらチェックしてみてください。
当てはまる項目が多ければ、お子さんはHSCの可能性が高いです。

✅ 大きな音やまぶしい光を不快に感じやすい
✅ 人が怒られていると自分までつらくなる
✅ 服のタグや素材が気になって着られない服が多い
✅ ひとりで遊ぶことが好き
✅ 小さな変化にもすぐに気づく
✅ 注意されると深く落ち込む
✅ 初めての場所や行事の前は緊張して眠れなくなる
✅ 他の子が平気なことでも怖がって不安になる
✅ 人前で話すことが苦手
✅ 家では元気なのに、外では疲れてぐったりしていることが多い

※3〜4個以上当てはまる場合は、HSCの気質がある可能性があります。
(ただし、あくまで傾向の確認であり、診断ではありません)

日本人にはHSCの子が多いって本当?

HSCの割合は、世界の子どもの約15〜20%と言われて、つまり、5人に1人はHSCの気質を持っているということになります。

特に日本人は、もともと「まわりに気を配る」「空気を読む」といった文化的背景があるため、HSCの傾向を持つ子が多いんです。

また、「人と違うことはよくない」「我慢するのがえらい」という価値観を成長過程で植え付けられてしまうため、HSCの子どもは無理をし過ぎてストレスを抱え込みやすいです。

不登校になってしまう子は例外なく真面目な頑張り屋さんなので、ほとんどの子がHSCの傾向が強いと思っていいでしょう。

HSCの子が学校に行きづらくなるのは、どうして?

HSCの子は、様々なことに過敏です。集団特有の雑音や匂い、また人とのやりとりや関わり方など、生きてゆく上で避けて通れないことでも、皆と同じようにやり過ごすことができません。
HSCの子が特にストレスを感じてしまうことを紹介しておきます。知っておけば、お子さんが『どんなことがツライのか?』『どんなストレスを抱えやすいか?』を理解する手助けになります。

つらくなってしまいやすいこと
・クラスのざわざわした音やにぎやかな休み時間
・友達のちょっとした一言を深く受け取ってしまう
・先生に注意されることが怖い
・給食や体育など、予測できない場面に不安を感じる

HSCの子が強いストレスを感じた時は、最初は「おなかが痛い」「頭が痛い」と身体に影響が出る場合が多いです。その症状は午後には治ってしまうので、親御さんは初めのうちは「仮病なの!?」と感じてしまう場合もあるかと思います。

ですが、そういった症状も『身体表現性障害(からだひょうげんせいしょうがい)』『心因性の身体症状(しんいんせい)』などと病名がつけられているもので、お子さんの意志でコントロールできるものではありません。

HSCの子は感受性がとても強いため、心が感じたストレスを体で表現してしまうことがよくあるのです。

親ができるHSCの子へのサポート

HSCの子はとても敏感ですから、常になんらかのストレスを抱えていると言っても過言ではありません。ひといちばい敏感で共感力も強いので、例えば悲しんでいる人のそばにいるだけで、同じように悲しくなり、胸を痛めてしまうこともよくあります。
そんな敏感な子は、親御さんのサポートしか受け付けない場合があります。親御さんだからこそできる、HSCの子へのサポートを紹介しておきます。

「甘え」ではなく「特性」として理解する

「学校に行きたくない」と言われると、つい「わがままを言っちゃダメでしょ」と思ってしまう場合もあるかと思います。

でもHSCの子にとっては、日々の刺激が本当に“しんどい”のです。

我が子とは言え、子どもの痛みを感じてあげられる訳ではありません。でも「うちの子にはそういう特性がある」と知っているだけで親御さんの気持ちも安定するので、子どもも安心して親御さんに甘えることができるようになります。

無理に学校に行かせようとしない

わたしたち大人は、「学校に行くこと=いいこと」と思いがちですよね。そんな固定概念があるので、どうしても「不登校は悪いこと」だと捉えてしまいます。

でもHSCで不登校になってしまった子に一番必要なのは、「休む勇気」と「回復の時間」です。

植え付けられた常識などではなく、うちの子には何が必要か?を常に考え、見極めてあげるようにしてください。
親御さんの中の常識で無理やり登校を促すと、お子さんは自信を失い、自己肯定感を下げてしまいます。

安心できる居場所をつくってあげる

あらゆることに敏感に、過剰に反応してしまうのがHSCです。そんな子がホッとできるのは、もしかしたら家だけかもしれません。
ですから親御さんは、家の中がお子さんにとって一番快適な場所になるよう、常に配慮してあげてください。
どんなことがあっても親と一緒にいれば安心と思わせてあげられたら、それが最高のケアになります。
また、そうすることによって、親子の絆も再構築されていくので、親御さんも親子の時間を楽しむことができるようになります。

学校以外の選択肢を考える

不登校になったら、必ず学校に戻らなければいけない、というわけではありませんし、学校に必ず行かなくてはいけないルールもありません。
今時はネットの発達によってオンラインで学ぶこともできますから、お子さんが登校しぶりな場合は、学校以外での学び方も考えていきましょう。

フリースクール
オンライン学習
通信制高校(将来の進路として)
在宅学習支援などの地域サービス

こういった選択肢を知っていくと、「新しい学び方を考えるきっかけ」として、不登校になってしまったことは、逆にラッキーな現象と捉えることもできるのです。

親御さん自身も、ひとりで抱えこまないで

HSCの子を育てる親御さんも、HSCである可能性は高いです。つまり、誰よりも過敏で、だれかの悲しみに共感してしまうので疲れやすく、毎日全力で走っているので息切れしやすいのです。

そんなときにお子さんが登校しぶりになり、不登校になってしまえば、自分自身になにかあった場合よりも強いストレスを、親御さん自身も感じていると思います。

「どう接していいかわからない」「これでいいのかな?」と不安になり、考えすぎてしまう前に、HSCについて理解のあるカウンセラーや、同じ立場の親のコミュニティに頼りましょう。

重要なのは、ご家庭だけで抱え込まないで、負担をあちこちに分散することです。真面目であるがゆえに「そんなことをするのは申し訳ない」と思ってしまいがちですが、介護の現場に『いいかげんが良い加減』という言葉があるように、根詰めても上手く訳ではありません。不登校の回復には時間がかかりますから、焦らずのんびりと構えて欲しいです。

HSCの子どもには、ありのままを受けとめるサポートを!

HSCの子は「ちょっとのことでも気にしすぎ」と誤解されがちですが、それは決して甘えやわがままではありません。繊細で傷つきやすく、でもその分、人一倍やさしくて、他人の痛みにも気づける力を持っている――そんなすてきな特性を持っているのです。

学校生活は刺激が多く、HSCの子どもにはしんどい環境であることも少なくありません。不登校になったとしても、それは「自分を守るための選択」であり、「ダメなこと」では決してないことを、どうか理解してあげてください。

その上で親御さんにできる一番のサポートは、子どもの特性を理解し、無理に変えようとせず、安心できる環境を整えてあげること。学校以外にも選択肢はたくさんあります。焦らず、その子に合った道をいっしょに探していきましょう。

またHSCのお子さんを持つ親御さんも、優れた共感力と感性を持つHSCである可能性は高いです。どうか一人で抱え込まず、負担をあちこちに分散してください。親御さんが疲れすぎていると、お子さんも安心できません。お住まいの自治体や家庭教師など、頼れそうな場所にはかたっぱしから相談してみてください。いざと言う時に、「ああ、よかった」と思えるだけでも、精神状態は全然変わりますから。

この記事を書いた人

大森 公平 / 家庭教師のゴーイング 不登校サポーター

メッセージ:
小学校時代、いじめや人間関係の悩みから不登校を経験。学校に行けなくなり、自分に自信をなくした時期もあったが、勉強を通じて少しずつ自分を取り戻していった。そんな経験から、不登校で悩む子どもたちに寄り添い、安心できる環境を提供することに力を入れている。一人ひとりの状況に合わせた指導で、学ぶ楽しさや自信を取り戻す手助けを行っている。

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